酒田柳小路屋台村「北前横丁」入り口の展示ケースに15分の1縮尺の北前船が入航した。船名は「日吉丸」。これは、日本を代表する本間家が所有していた北前船の船名で、27日にそのお披露目会があった。酒田に貴重な名所がまたひとつ増えた。
これは、屋台村運営協議会の西村修会長が永年、屋台村構想とともに温めていたもので、航行可能な唯一の北前船「みちのく丸」を建造した気仙沼船匠会の新沼留之進会長(86)に依頼、製作に2年余りの歳月をかけて実現したものである。図面等は残っておらず、数多くの北前船の復元を手掛けてきた新沼会長は「これが最後の仕事になるかも知れない。出来るだけ忠実に再現した」と語ったと聞いており、貴重な北前船となった。
西村会長はあいさつで「長年の夢が実現できてうれしい。この北前船は部材も木材も全て本物と同じもので作られており、本物を再現するには、これを15倍にすれば航行可能な北前船が復元できる精度で作られている。高さ、長さが2mある北前船は展示ケースに入れ、温度、湿度を一定に保ち、日差しを避けるため、日中はブラインドで保護するので、残念ながら日中はお見せできない。北前船は海運で栄えた酒田の象徴であり、酒田を訪れてくれた皆さんに知って頂ければ嬉しい」と語った。
西村会長の「酒田のまちづくり」への情熱に頭が下がる。