選挙はいつも厳しいものだが、今回の知事選は我々の予測をはるかに超える厳しい結果だった。齋藤知事の取り組んだ財政再建への取り組みは、財政事情を多少とも関心のある人から見れば、至極当然の理である。「痛み」を伴う事も充分に承知のはずであるが、総論賛成各論反対の論理は甘えとしか受け取れない面もある。しかし、その手順がどうだったのか。私たち県議も充分説明し切れていたのか。そこを突かれた悔しさが残る。「温かさ」と「対話」のフレーズで情緒に訴えられ、具体性などは示さぬままに終ってしまったのである。
振り返ってみると、私が農林水産常任委員の時、農林水産部を統合して経済部にするという提案があった。「山形県の基幹産業である部を廃止するのはだめだ」当時同じ委員だった平議員と激怒したことがあった。あの頃から、農林予算の規模も含めて農業に冷たい知事と見られるようになった様な気がする。そこも突かれている。マニフェストは、農業復権を細部にわたって示していたのだが周知するには時間が足りなかったのかもしれない。
酒田港にも随分力を入れてもらえる様になったし、特別支援学校の前倒し設置や、仮称酒田中央インターチェンジの着工、日本海総合病院の地元発注など随分踏み込んだ発言で約束もしてくれた。仙台に顔が向いているなどと揶揄される事もあったが、後半はしっかり酒田を見てくれた様に思う。齋藤知事とはこれから本当に話し合えるなと、思っていた矢先である。
齋藤知事、ご苦労様でした。また何かの機会に応援できる時があると思う。