蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

カラ売り屋

2009年04月29日 | 本の感想
カラ売り屋(黒木亮 講談社)

カラ売り専門のファンド(カラ売り屋)、田舎の自治体を食い物にする人々(村おこし屋)、途上国融資の専門家(エマージング屋)、破綻した観光地ホテルを再生軌道に乗せようとしている弁護士(再生屋)、の、4つの話からなる短編集。

各話のコアは、ちょっと調査すれば誰でも分かる程度のもので、実体験者しか分からないような秘密やウラ話があるわけではないが、一般にはあまり知られていない職種をコンパクトにわかりやすく説明している。

「カラ売り屋」は、アフリカの工事現場に描写に魅力があり、この部分を切り出した別の話にしても面白かったと思う。
「再生屋」は、民事再生のプロセスがけっこう詳しく書いてあって勉強になる。(もともと金融機関社員向け雑誌に連載されたものなので、そのような目的で書かれているのだろう)


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