蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

あなたの本

2024年03月10日 | 本の感想
あなたの本(誉田哲也 中公文庫)

ミステリ風、SF風の味わいの多い短編集。

表題作は、父の残した本に自分の人生の経緯が記載されていることを発見した男の話。彼はその本の先を読むことを恐れる。もしかして同じような設定の小説がほかにもあるのかもしれないが、私としては初体験だったので、とても面白く読めた。ただ、オチはちょっと軽すぎるかなあ、もう一捻りほしかったところ。

その他の収録作も、設定は興味深くて、かつ「これからどうなるの?」感が強い展開部もいいのだが、最後がイマイチかなあ、というものが多かった。まあ、短編だからといって結末の意外さばかりを求めてはいけないのだろうけど。

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