goo blog サービス終了のお知らせ 

蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

新徴組

2016年07月18日 | 本の感想
新徴組(佐藤賢一 新潮社)

清河八郎に連れられて京都に行ったものの、何もしないうちに江戸に戻った浪士たちによって結成され(そのまま京都に居ついた人が作ったのが新選組)庄内藩預りとなって江戸の治安維持にあたったのが新徴組。新選組とは知名度が違いすぎて、私も本書を読んで初めてその存在を知りました。

新徴組は、戊辰戦争のきっかけとなった薩摩藩邸焼き打ち事件を起こした後、庄内藩の指揮下で戊辰戦争を戦いますが、日本海側での戦闘では近代化された庄内藩は負け知らずでした。そのためか(あるいは豪商本間家の献金のせいか)戦後は異例の寛容な処分で済んだそうです。

庄内藩の重臣の酒井吉之丞が新徴組や藩兵に西洋風の教練(やたらと行進させる)をほどこすシーン、沖田林太郎(総司の義兄で新徴組の幹部)が三段突きで示現流の達人を倒すシーンが印象に残りました。

昔読んだ「双頭の鷲」があまりにも良かったので、佐藤さんの著作はけっこう読んでいるのですが、どうも「双頭の鷲」ほどには盛り上がらないのですよねえ。


コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。