蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

サッカー店長の戦術入門

2022年03月17日 | 本の感想
サッカー店長の戦術入門(龍岡歩 光文社新書)

グアルディオラが築いたポジショナル(ボール保持を一義とする)、それに対抗したスペース重視のモウリーニョ、前線から積極的なプレスでカウンターを狙う(ストーミング)クロップ、2000年代から今に続く、サッカー戦術の変遷の歴史を追う。

タイトルからは、技術論的な内容を想像できるが、大半は有名監督たちの評伝。
著者はプロのライターではなく、サッカー用品店のブログを書いて人気を得た人とのことだが、書きぶりに素人とは思えないエッジがあって、サッカーの知識ほぼゼロの私でもとても楽しく読めた。サッカーに造詣が深い人(あるいは登場する監督たちをよく知っている人)が読んだらなおさらだろう。

私の勝手なイメージとして、作戦に凝るのはヨーロッパ系の監督で、南米系の監督は個人の力重視、と思っていた。
しかし、南米出身の監督でもシメオネとかビエルサ(ともにアルゼンチン人)とかはオタク的に戦術研究をしている、というのが興味深かった。

いろいろな戦術の変遷と複雑化を経て、最初の戦術?ともいえるマンツーマンが主流に戻りつつあるのでは?という見方も面白い。

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