蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

宇宙戦争

2006年03月11日 | 映画の感想

「ターミナル」の感想でも書いたのだけれど、スピルバーグ+有名俳優(トム・クルーズ)の組み合わせなら相当に期待値は高くなる。

この映画もかなり面白いが、期待値ほどでもなかったかな、という感じ。スピルバーグは「商売のための映画」と「自分が作りたい映画」の差がはっきりしていると思う。(それが悪いことだとは思いません) ある日突然地球に来襲した宇宙人は巨大な兵器を操って地球人を殺戮しまくる。米軍の兵器は宇宙人の兵器のシールドに阻まれて全く無効。トム・クルーズは自宅を壊されて子供二人を連れて別れた奥さんの実家へ逃げようとする。

トム・クルーズが主演なら、工夫を重ねて宇宙人をやっつける端緒をつかむ、みたいな話になりがちだが、この映画では対抗手段が全くなく、とにかく逃げるしかないという設定になっている。実際トムが演じる父親より長男の態度の方がはるかに立派。

 照明の使い方が印象的で、最初から最後までハラハラドキドキできるし、宇宙人の兵器が建造物や乗り物を破壊するシーンは本物にしか見えなくて(私はDVDで見たので実感できなかったが)スクリーンで見たらすごい迫力だろうな、と思わせた。

 ただ、原作のラストはあまりに有名で、「すごいな宇宙人、でも最後にはあっさりやられちゃうんだよね」と思いながら見ているので、ちょっと緊迫感がレベルダウンしたような気がした。

 トム・クルーズの評判は(特に昨年)、彼の地では芳しくないようだが、出演作を共同制作にしたり、公開前のプロモーションでやや露出過剰気味だったりして、金儲けに専念しているような姿勢が嫌われているのだろうか。私としては好きな役者なのだけれど。


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