蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

元気でいてよ、R2-D2。

2014年08月11日 | 本の感想
元気でいてよ、R2-D2。(北村薫 集英社)

後味の悪い、陰のある短編ばかりを集めた本。

戦慄を覚えるような強烈なものはなくて、ふだん隠されている人間の悪意(というか、底意地の悪さ)がチラッと見える、といった感じの筋が多かった。

その中で、「微塵隠れのあっこちゃん」は、取引先の傲慢な担当者の扱いに手こずっているOLの話。今どき、こんな露骨な下請けいじめみたいなことをする人はいないだろうな、とは思うものの、ラストで、今の状況と昔の思い出がリンクするあたりはとても良かった。
(読んだのは2012年12月頃)

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