蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

エースは一発病

2012年11月18日 | 野球
私は、プロ野球の千葉ロッテマリーンズのそこそこ熱心なファンなのですが、とりわけ成瀬投手が贔屓の選手です。

勝利数は10勝をちょっと超えるくらい、というのが多いので堂々とエースと呼ぶのは少々ためらわれますが、ここ数年はローテーションを守り続けて、投球回数はいつもリーグトップレベル。故障で休んだところをほとんど見たことがなく、「無事これ名馬」という基準でみればあるいはリーグトップの先発投手といえるのではないでしょうか。

ストレートはほぼ130キロ台。切れ味鋭い落ちる球があるわけでもなく、生命線はコントロールです。
ローテーションピッチャーとしての通算四死球(の少なさ)という記録があれば、おそらく現役トップなのではなかろうか、と思われます。特に死球を与えることはめったにありません。
つまり、「軟投派」に分類されるわけで、ここでも「エース」の称号を冠するのをためらわせる理由があります。

さらに印象を悪くしているのは「一発病」と揶揄される被本塁打数の多さです。球威がないので当たると飛ぶのか、ホップする球筋のせいか(江川投手、元ソフトバンクの和田投手も同じ理由で被本塁打が多いと聞いたことがあります)、特に今年は夏以降、試合中盤以降に下位に打たれる場面が目立ちました。


もし、成瀬投手がもっと投手陣が豊富なチームにいて、先発ローテの2番手くらい(去年までの日本ハムの武田(勝)投手のような立場)だったら、もっと気楽に投げられてもっと良い成績があがるのではないかと思います。
幸か不幸か今のロッテのようなチームにいるので、エースという立場を強いられて、イニングをこなしていくだけでは褒めてもらえないのですけれども、少ない援護の中、故障らしい故障もなく1年間投げ抜き、それでもコンスタントに2ケタ勝っているケナゲさが魅力といえば魅力なのだと思います。

ダルビッシュやマーくんのように絶対的パワーを持つ投手ではなく、欠点が目立ち、派手さもなくいつも仏頂面(←これは成瀬投手の出身高校の投手共通の特徴と聞いたことがあります。なんでもこの高校の監督は、投手はどんな時でも表情を出してはいけないというふうに教育するらしいです。不確かなウワサですけど)だからこそ、応援したくなるというのが(ちょっとヒネた)ファン心理というものだと思うのです。

そんな成瀬投手ですが、今年はNHKのスポーツドキュメンタリ番組で特集されたりしました(ただし、ラストシーンは打ち込まれた場面でしたが・・・)。ところが、この番組でけっこう詳細に投球ファーム等の分析をされてしまったせいか、放映以降、急に打ち込まれだしてしまったのです。そんなところも、成瀬投手らしいナア、と言えるのかもしれません。

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