蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

球辞苑(延長戦)

2022年12月25日 | 野球
球辞苑(延長戦)2022年12月12日

最後のトピックは、延長戦と守備だった。取り上げられたのは今年限りで引退したソフトバンクの明石。(敬称略)

明石は、引退会見で、最も印象に残る試合は2010年9月14日のロッテ戦だとした。
11回裏、1死満塁で1塁の守備についていた明石は、ロッテ西岡の、ダブルプレー必至と思われた平凡な1ゴロを、本塁にワンバウンド送球して捕手だ取れずサヨナラ負けして即日2軍送りとなった。

因果は巡る糸車。2014年10月30日の日本シリーズ第5戦。9回表1死満塁、明石は1塁守備についていた。迎えるバッターは(チームは阪神だが)西岡。「来たか」と、明石は思ったという。案の定、西岡は1塁ゴロ。今度は堅実な守備を見せた明石はダブルプレーを成立させる。

長年、球辞苑を見てきて、これは一番か二番くらいにしびれたシーンだった。
挙げようと思えば他にいくらでもありそうなのに、引退会見で、あえて痛恨のエラーを持ち出してきたのが、まずすごい(というか正直者?)。「球辞苑」によると、明石は2020年のこのエラー以来、延長戦では1回もエラーしなかったというのもすごい(ユーテリティなので延長での守備機会が多かったにもかかわらず)。

明石は番組の中で、メンタル云々より経験を積むことが重要だと言っていた。経験が浅い場面でもフルパワーを発揮できる人も稀にはいるのかもしれないが、やはり大切なのは経験なのだろう。
経験積んでも緊迫の場面でもドキドキすることには変わりないと明石は言っていたが、ドキドキしつつも普段の挙動を再現できることことが経験値なのだと思う。

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