蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

渇水

2024年01月24日 | 映画の感想
渇水

岩切(生田斗真)は水道局の職員。仕事は未納者への督促。岩切はできるだけ機械的に止水(滞納者の水道栓を封印すること)をしようとする。そんな冷徹な姿勢に同僚の木田は、違和感を抱きつつも指示通りに作業している。あるとき二人は明らかに育児放棄されていると思われる姉妹が住む家に督促にいくが・・・という話。

作中でも触れられているが、電気やガスは滞納だとすぐに止められてしまうが、水道は猶予期間が長めらしい。
水がないと生命の危険に直結するから、とかいわれるが、実際のところは、水道局が官営(もしくは元官営)だから、利用者に遠慮があるとか、職員がそこまでドラスティックになれない、ということもあるような気がする。

本作の主人公たちも、育児放棄された家庭まで止水するのか?という問いに中途半端にしか対応できていない。映画としてはもっと冷酷か、逆にありえないくらい親切か、の方が面白いとおもうのだけど、原作がそうなっているのか、本作ではどこまでいっても生ぬるい感じだ。

育児放棄を描いた映画というとすぐに「誰も知らない」が思い浮かぶ。それに比較すると、緊迫感と切迫感があまり感じられなくて、「ああ、かわいそうだね」ぐらいにしか思えないくらいの描き方なのも、やっぱり、どっちつかずだったかなあ・・・?
「渇水」というタイトルから、ハードボイルドな内容を期待したこちらが悪いのか・・・?
コメント
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