蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う

2022年02月20日 | 本の感想
沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う(山舩晃太郎 新潮社)

著者は、プロ野球を目指していたが、大学の時に諦める。卒論のテーマを探すうち、沈没した船などを(海底の泥などを除去して)発掘する水中考古学に出会い、研究が盛んなアメリカの大学に留学する。猛勉強の末、フォトグラメトリというコンピュータによる再現手法を発展させて学位を取り、世界各地の発掘現場で活躍する。

著者は大学は史学科だったものの、野球に専念?していたせいか、英語はからっきし(マックで注文することすらできなかった)だった。水中考古学を知ったのはたった1冊の本で、それで進路を決めてアメリカへまさに裸一貫で渡り、専門学部へ潜り込んでしまったのだから、行動力がすごい(というより無謀というべきか)。
英語が全くできない状態から数年でライバルたちをしのいで学会を驚かせるような成果をあげるのだから集中力も驚異的だ。
やっぱり、ずっと体育会系で鍛えられてきた人って、方向性が決まると強いよね。
コメント
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