蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

野良猫を尊敬した日

2019年04月12日 | 本の感想
野良猫を尊敬した日(穂村弘 講談社)

穂村さんの文章を初めて読んだのは「本の雑誌」の連載で、アメリカのハードボイルドの名作を解説したエッセイだった。今までに見たことがない斬新な視点で紹介されていて、それ以来、出版されているほとんどのエッセイを読んだ。
なので、たまに「これ、読んだことあるかな?」というネタも多いのだが、本書も楽しくよめた。

私小説が典型だけど、作家って自分の経験をネタにしていることがあって、自分の恥をさらすことと引き換えにおカネを稼いでいる、という側面がある。
穂村さんも割と言いづらいようなこと(例えば20年近く勤めた会社ではさっぱり仕事ができなかったとか)を告白?していることが、けっこうよくあって、似たような経験をしている同世代としては(ああ、俺だけじゃなかったなあ、なんて)共感できるのだった。
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