蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

スターリングラード(ドイツ映画)

2018年04月14日 | 映画の感想
スターリングラード(ドイツ映画)

独ソ戦の転換点となったスターリングラード攻防戦におけるドイツ軍小隊の悲劇を描く。1993年のドイツ映画。
ヴィッラント少尉(トーマス・クレッチマン)が率いる小隊は、北アフリカ戦の後、イタリアで休養していたが、東部戦線への転戦を命じられてスターリングラードへ赴く。多大な犠牲を払って市街地を確保するが、ソ連軍の強力な反撃にあって包囲されてしまう。
ヴィッラント少尉とその小隊は、負傷者を救おうと休戦を申し入れたり、軍医を無理やり部隊に連れてきたりしたことなどを問われて懲罰部隊へ送られて地雷除去などをさせられる。
中隊長は、無謀な脱出作成を担うなら原隊復帰させると約束するが、その作戦の中で中隊長自身が重傷を負ってしまう。
少尉は傷病兵を装って小隊ごと飛行機で脱出しようとするが、考えることは皆同じで満員になって乗れない。
絶望した少尉は恨み骨髄の憲兵将校を殺して、憲兵たちがこっそりため込んだ食糧庫に潜入する・・・という話。

日本でみられる海外作品のほとんんどはアメリカ製なので、戦争映画のドイツ兵は、たいてい無言で冷血にアメリカ兵を殺しまくるロボット、みたいなイメージが強い。
本作では、ドイツ兵の日常(たばこを吸いまくる、糧食はそれなりに豊か、憲兵の権力が絶大、制服の着こなしも大事、など)や軍装が詳しく描かれて興味深かった。
ソ連軍の兵や民間人も(ロボット的にでなく)情感豊かに描かれていたように思えた。
耳が大きくて陽気なフリッツ五兆(ドミニク・ホルヴイッツ)がよかった。

主役の少尉がやったことは、平時や後方ならかなり滅茶苦茶な行動に見えるが、前線ではルールを守るばかりでは生き残れっこない、ということを示しているように見えた。(そういう視点でみると、憲兵にバレてしまうような手際だったヴィッラント少尉はヘボだったともいえる)
コメント
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