蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ロボット・イン・ザ・ガーデン

2017年01月15日 | 本の感想
ロボット・イン・ザ・ガーデン(デボラ・インストール 小学館文庫)

人工知能を持ったロボットやアンドロイドが日常生活にとけこんだ未来(?)。主人公のベンは両親からの遺産をアテにしてプータロー生活。妻で弁護士のエイミーにも愛想をつかされようとしている。ある日タングと名乗るロボットが庭に迷い込んでくる。妙に愛嬌があるタングは故障しようとしていた。ベンはタングのメーカを探してカリフォルニア→日本→パラオとタングといっしょに旅を続ける・・・という話。

いちおうSFっぽい設定ではあるものの、まるで永久機関のようにエネルギー補給なしで活動しつづけるタングに象徴されるように、内容はファンタジー、というか童話っぽい。
カバー画が酒井駒子さん作(この絵が素晴らしくいい。この絵に惹かれて買ってしまった、という私のような人もきっと多いと思う)なので、なおさらである。

「タングがカワイイ」という評価もあるようだが、私にはあまり魅力的でなくて、ベンの成長物語としてもイマイチ(というか、ベンが成長したようには見えない。単に気分が変わったくらい?)。いかにも続編がでそうな結末だったが、もういいかな、という感じ。

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世界から猫が消えたなら(映画)

2017年01月15日 | 映画の感想
世界から猫が消えたなら(映画)

脳腫瘍で余命数か月であることを告げられた主人公は、自分そっくりの死神?に、「世界から何かを消してもいいなら、お前の寿命を延ばしてあげる」と言われる。まずは電話が消え、次は映画が消え・・・という話。

主人公は海辺のうらぶれた街に生まれ育ち、生家は儲かってなさそうな時計屋。今は郵便配達をしていて、帰宅して飼い猫と戯れるのとビデオ屋の店員がすすめるDVDを見るのが楽しみ・・・と、私好みの貧乏くさい設定だったので、序盤は面白くなりそうな感じだったのだが、その後は作者もしくは監督の自家中毒的な場面が続いてがっかりだった。
だいたい、こんな冴えないツキもない男役を佐藤健さんにやらせるという時点で、はや現実感ゼロ、ではないかな。
でも、世間的には原作も映画もかなり評価されているようですね。
どこがいいのかな?
あ、主人公の母親役の原田美枝子さんは美しかったですね、相変わらず。

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