蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

インビクタス

2010年11月27日 | 映画の感想
インビクタス

南アフリカ大統領に就任したマンデラ(モーガン・フリーマン)は、人種間の対立を克服して国としての一体感を醸成する方法を模索していた。
南アフリカ開催が決まっていたラグビーのワールドカップに目をつけて、開催国ながらベスト8どまりと見られていた白人主体の南アフリカチーム(スプリングボクス)を利用しようと思い立つ。

マンデラはチームのキャプテン(マット・デイモン)を官邸に招き、協力を要請する。マンデラの人柄に魅了されたキャプテンは、黒人社会との交流にも積極的になる。スプリングボクスは、下馬評をひっくり返してオールブラックスを破り優勝する。

モーガン・フリーマンのたどたどしい英語の演技がすごくリアリティがあって、その計略にキャプテンが簡単に丸め込まれてしまうシーンに説得力がある。

多彩なエピソードをできるだけたくさん盛り込もうとしたせいか、やや散漫で、展開が早すぎる感じがしないでもないが、イーストウッド監督の映画を盛り上げていく技術はやっぱり超一級で、決勝戦のシーンは高揚感とカタルシスに満ちている。


私は、リアルタイムで南ア大会を見たが、当時のスプリングボクスはかなり地味なチームで、華がなかった。きらびやかなスターを揃えたオールブラックスが負けるとは思えなかったので、結果を見てホームバイアスの力は大きいなと感じた記憶がある。
選手たちがこの映画で描かれたような使命感を備えていたと知っていたら、見方も違っていたと思う。


蛇足だが、邦題の副タイトル「負けざる者たち」は、日本語の語感として変だと思う。普通なら「敗れざる者たち」だと思うのだが、有名な同題の著作があるので、意識して避けたのだろうか?
コメント
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