蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

フラッタ・リンツ・ライフ

2007年01月31日 | 本の感想
フラッタ・リンツ・ライフ(森博嗣 中央公論新社)

SF空戦記 スカイクロラシリーズの4冊目。このシリーズはパイロットの適性を高めるべく改造された「キルドレ」という人々が主人公。
その改造ゆえにか、空戦以外に生きがいを感じられなくなってしまい、そのことについて悩んだり、ふっきれて空を飛び戦うことに没頭するする姿を描いています。

空戦場面の描写に特長があり、瞬間的な判断が求められる状況が効果的に表現されています。

私は森さんのエッセイと日記は大好きで、公表されているものはほとんどすべて読んでいます。一方、小説の方は、S&Mシリーズを3冊読んでみましたが、どうしても面白いとは思えませんでした。
しかし、スカイクロラシリーズは4冊とも楽しめました。その理由をまとめると次のようになります。

①架空のレシプロ機(ストーリーの中ではまだジェットエンジンは実用化されていない)のメカニックや操縦法にリアリティを感じさせる。
②「キルドレ」達のストイックな生活ぶりがカッコイイ。
③タイトル、装丁が魅力的。

③は、スカイクロラシリーズ以外のシリーズにも共通していえることで、タイトルは書店で見ただけで手にとってみたくなる気を起こさせるようなものが多いと思います。また装丁は作家の力量とは関係ないのでしょうが、どれも素敵で、文庫版のVシリーズが特に良いです。
コメント
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