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蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

さよなら上野ディラ

2010年10月23日 | Weblog
さよなら上野ディラ

上野駅の高架上の大コンコースにディラという名前の店舗群ができたのは10年近く前だったでしょうか。
レストラン、書店、ユニクロ、そば屋、喫茶店、無印良品、ドラッグストア、本屋といった定番の他に「STUDY ROOM」という理科の実験道具や恐竜のモデルなどを売る店、サッカーのユニフォームやキャラクター商品を売る雑貨店などJR駅内としては異色の店などもあって、ウィークデイは毎日ここを通る私としては、それなりに充実しているなあ、と思っていました。

しかし、改装工事のため、9月末で全店閉店。約半年後に再オープンということになり、今は店の前は白い壁でふさがれています。

本屋さんは、斯界では有名な書店員さんがいて、「蟹工船」のブームはこの店から始まったものでしたし、さほど広いとは言えない店内は個性的な品揃えで志の高さをうかがわせました。売り上げも都内有数と聞いたことがあって、この店を閉店してしまうなんて、ちょっと信じられません。書店なので相対的に利益率は低く、超一等の立地とは引き合わないとJRは思ったのでしょうか。
ただ改装するだけで、また再オープンするのかもしれませんが、コンコースは相当広々しているので、この書店だけでもどこかで継続営業してもらいたかったなあ、と思いました。

定食、カレー、そばといった店も、ジャンルとしてはどこにでもあるのだけれど、駅の中にある、立地に甘えたどうでもよさみたいなものが感じられなくて、掃除がゆきとどいて清潔感があり、店員さんの接遇もそこそこのレベルを維持していたように思えます。JRの店舗運営力の高さでしょうか。
CD屋さんのディスプレイは金はかかってないけど、工夫が感じられたし、駅弁屋さんの呼び込みは活気があったし。

ということで、まだまだ十分稼げる店舗だったのでしょうが、思い切って一新しようというからには、期待するほどの収益が上がっていなかったのかもしれません。それにしても約半年もかけて改装というのは、逆にJR東日本の小売業全般が好調だからこそできることでしょうね。
それでも、やっぱり本屋は存続してほしかったなあ。(改装して再オープンを期待してます)

トーマスのリアリティ

2010年05月15日 | Weblog
トーマスのリアリティ

「きかんしゃトーマス」という、イギリス製の人形(?)アニメ番組があります。
蒸気機関車の前面が人間の顔になっていて、しかも顔色(?)がとても悪い(灰色)ので、昔は「気味悪いなー 趣味悪いなー」と思っていました。

子供ができて、しかも鉄道好きの子になったので、この番組を四六時見るようになり、私も見るともなく見ているうちに、意外とアニメとして魅力的であることに気づきました。

人形アニメなので、実際にミニチュアモデルを作って撮影しているのですが、簡素な作りのモデルなのに、イギリス風機関車のムードが上手に表現されていています。
これは省略やデフォルメがうまいせいでしょう。戦車や飛行機のプラモデルは、実物を縮尺通りに正確にモデルにしても本物らしくならないそうで、省略や、それらしく見せるための意識的な改変が必須だそうで、その辺がモデル作家(原型師)の腕のみせどころなのだそうです。
風景は、機関車本体とは逆に、細かいところまでしっかり作りこまれていて、よくできた鉄道模型を撮影したもののような出来栄えです。

一見、(機関車に人間の顔がくっついているという)子供だまし風なのに、良く見ると、作者の仕組んだリアリティが浮かび上がり、大人の観賞にも耐えられる出来になっている・・・このへんがイギリス的なセンスというところなのでしょう。

アスファルトの踏み心地

2010年02月14日 | Weblog
アスファルトの踏み心地

少し前に、日暮里舎人ライナーに乗って舎人公園に行った。

23区内で駅が目の前(というか、駅が公園の中にある)で、施設も充実しているのに、休みの日にいっても、ほとんど人がいない(というか、広すぎて密度が少ない)。変に人気化せずにいつまでもこのままであってほしいと思う。

舎人公園で一番面白いのは、人工芝のゲレンデ(坂)をそりで滑り降りる施設。もちろん無料だが、大人は乗れない(幼児といっしょに乗るときはOK)。

芝生の広場がとても広くて、秋だったので落ち葉も積もっていてふかふかした足ざわり。2時間ほどその広場で子供とボール遊びなどをした後、アスファルトの道路に戻ったとき、
子供が「道路がごつごつしてるね」と言った。
舗装が悪くてデコボコという意味ではなく、柔らかな踏み心地の芝生に慣れてしまったので、普段は気にもしないアスファルトの固さに対する感想。

アスファルトってこんなに固かったんだ・・・と子供に指摘されてはじめて気がついたのだった。

仕事の流儀-ライバル対決 森内俊之VS羽生善治

2008年07月21日 | Weblog
仕事の流儀-ライバル対決 森内俊之VS羽生善治

7月15日にNHK総合で放送された番組。羽生さんが名人位を奪取し永世名人となった今年の名人戦を二人のインタビュウを交えながら描く。

局面によって変化する二人の表情がうまく捕らえられていた。森内さんが第三戦で絶対優位を築きながら、羽生さんがあきらめず粘る。森内さんが「なんだ、こいつ、いいかげんにしろ」みたいな表情を浮かべた場面、また、その後に森内さんに大ポカが出たところで、「しまった」という表情がモロに顔に出てしまう場面。
羽生さんはともかく、森内さんは感情をぐっと抑えるタイプだと思っていたので、意外であった。逆にいうとそれくらい痛恨の一手だったということか。
森内さんが第三戦で敗北後、感想戦のあとも盤から離れられず、一人座っていた場面も深く印象に残った。

もう一つ印象的な場面は、二人が微笑みを浮かべて楽しそうに指している表情をとらえたところ。高みに達した二人だけが理解しあえる真髄。
これを見て思い出したのが「フェルマーの最終定理」。
その証明を理解することすら、世界中で両手で数えられるほどの人にしかできないという。他のだれも知らない、他のだれも達し得ない彼岸の楽園で戯れることが出来る幸せ、みたいなものだろうか。
(もっとも2回目に見た時に気づいたのだが、もしかすると、この場面、居眠りしている記録係に気づいて二人が思わず笑ってしまった、ようにも見えた)

第三戦の後、森内さんは数日間、盤に向かうことができず、バッティングセンターでうさ晴らしをする。結局2勝4敗で名人位を奪われた翌日は始発でホテルを後にした。
前述の第三戦のシーンも含め、この番組は羽生さんの勝利とその天才を讃えたというよりは、(羽生さんに比べると)天才とは言いかねる森内さんが、一度は羽生さんに追いつき追い越したように見えながら、ここに来て再度つきはなされてしまった、という、敗者としての姿が主題になっていたように思う。
しかし、この敗者の姿はとても美しいものであったが。

最後に「プロとは何か」と聞かれて、羽生さんは「365日24時間、プロであることを意識すること」と、森内さんは「現状に満足せず型を打ち破ること」と(いう主旨を)答えた。

それにしても、この後もさらに一冠(棋聖)をもう一人の同世代ライバル佐藤さんから奪い、ここに来て第二の全盛期を迎えた羽生さんの勢いはすごい。7冠永世襲名がかかる竜王戦(一方、現竜王も今年勝てば永世竜王)で挑戦者になれば、大変に盛り上がりそうだ。

住之江 笹川賞

2007年06月03日 | Weblog
12Rは実力者、実績者が揃って1=2以外買いづらいレースかな、と思った。
それで今日の狙い目は11Rの田口。5日目終わってのコメントが「完走できてほっとしました」。まあ、なんとも正直というのか、いきなり準優進出では無理もないというのか、ただ、券を買ってた人にはちょっとせつないコメントだったかも。しかし、これで最終日はリラックスできるのでは?と思って頭、ヒモとも流したのだが・・・結果は一番安い1-3だった。

住之江は進入が折り合ってしまえば、相変わらず捲くれないレース場だなあ、といつも思うことを12Rを見て今日も感じた。
三島あたりが思い切ってイン取りにいってかき乱したりしてみたりしてくれないかねえ、と見ていたら、濱野谷がピット離れ悪く、もう1=2でどうしようもない、と思えた。

2マークで原田が先に回っていた松井に当ててしまったのだけど、住之江で先頭を走っている大阪の選手にそんなことしていいの?・・・時代は変わったなあ。相手が野○なら半殺しだよ。きっと。
そういえば、野○がピットでケリを入れて懲罰を食らった時の相手は三島だったよなあ・・・確か。客から見えるところでやったのがまずかったらしく、蹴られた三島の方が恐縮していたとも聞いたが・・・(ウワサです。真偽のほどはわかりません)