10月22日の朝日新聞朝刊は1面トップで、「元官僚渦巻く批判」、社説では「民から官へ、逆流ですか」とのキャッチフレーズで鳩山内閣の日本郵政の次期社長人事を批判して、購読者を世論操作しているとしか思われない。これでは所詮新聞広告を出してくれる経済界擁護のための薄っぺらな論調でしかない。
果たしてそのような論調が「脱官僚・天下り」の是非を論ずる場合に適切であろうか。それは単に官僚を十把一からげにした捉え方でしかないであろう。要は当人が「脱官僚」の意識改革が出来ているか否かで判断されるべきである。
また先の日銀総裁人事で自民党政府与党が財務省事務次官経験者の武藤氏を推したことに民主党が反対したのは、その天下り人事の見返りに自民党政権が財務省に恩を着せ、衆議院選挙に有利なバラマキ予算を組みやすくする目的が明らかであったためであり、事実それは麻生内閣の今年度補正予算で実証されている。一方今回の郵政社長人事にはそのような利害得失は見あたらず、日銀総裁への天下りと同一視する朝日の見方は当たらない。
ところで、次期社長に内定している斉藤氏は細川連立内閣時代の大蔵事務次官と言われている。当時細川内閣は財源不足を赤字国債発行で賄うか消費税増税で賄うかで、連立政権は増税賛成政党と反対政党間で意見が分かれていた。そこに出てきたのが小沢-斉藤事務次官で計画された5%の消費税を廃止して、7%の国民福祉税新税案である。
当時新政党代表の小沢一郎は福祉目的税にしての2%増税であれば、消費税増税に反対している村山社会党も納得するであろうとの判断だったと言われているが、結局こじれきっていた連立与党内はまとまらず、細川内閣は政権崩壊に向かっていく。この時の小沢-斉藤ラインの福祉税構想から、今回の郵政社長人事でも小沢幹事長の裏工作があったのではと噂されるのであろう。
さて、このような過去の経緯の中で注目すべきは、国民福祉税という自民党時代には到底考えられない「福祉目的税構想」である。自民党政権から連立政権に変わったとはいえ、これまで何にでも使えた5%の消費税を7%にして国民の福祉目的に向けると言うのである。
これは当時の大蔵省にしてみれば驚天動地の財政支出である。それをぶち挙げたのが今回次期日本郵政の社長に内定した「斉藤次郎」である。幾ら連立政権に変わったといっても、過去の歳入歳出にはそれなりの仕組みができており、一朝一夕にこのような大胆な税制改革と財政支出の変更は並の次官では不可能である。これが十年に一度の事務次官と評される所以であろう。
我々国民にしてみれば納めた税金が何に重点的に配分されるかが重要であり、コンクリートより人へ配分してくれる官僚こそ真の官僚である。皮肉なことに村山社会党のために実現はしなかったが、斉藤氏こそ国民の福祉のために国民福祉税構想を実現しようとした、最初の大蔵官僚ではなかろうか。
そのような意識変革のできた元官僚であれば次期日本郵政社長に登用されることは何ら問題はないと思う。逆に民間人でも「かんぽの宿」をどさくさ紛れに息のかかったオリックスに不当販売するようでは、役得に乗っかって政官業の利権構造の甘い汁を分け合っていると思われてもやむをえないであろう。
要は官僚でも民間人でも問題は「人」である。残念ながら朝日の論調は、人物より経歴論、天下り是非論に重点が置かれ、適材適所な人物か否かが論じられていないのである。
「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年
果たしてそのような論調が「脱官僚・天下り」の是非を論ずる場合に適切であろうか。それは単に官僚を十把一からげにした捉え方でしかないであろう。要は当人が「脱官僚」の意識改革が出来ているか否かで判断されるべきである。
また先の日銀総裁人事で自民党政府与党が財務省事務次官経験者の武藤氏を推したことに民主党が反対したのは、その天下り人事の見返りに自民党政権が財務省に恩を着せ、衆議院選挙に有利なバラマキ予算を組みやすくする目的が明らかであったためであり、事実それは麻生内閣の今年度補正予算で実証されている。一方今回の郵政社長人事にはそのような利害得失は見あたらず、日銀総裁への天下りと同一視する朝日の見方は当たらない。
ところで、次期社長に内定している斉藤氏は細川連立内閣時代の大蔵事務次官と言われている。当時細川内閣は財源不足を赤字国債発行で賄うか消費税増税で賄うかで、連立政権は増税賛成政党と反対政党間で意見が分かれていた。そこに出てきたのが小沢-斉藤事務次官で計画された5%の消費税を廃止して、7%の国民福祉税新税案である。
当時新政党代表の小沢一郎は福祉目的税にしての2%増税であれば、消費税増税に反対している村山社会党も納得するであろうとの判断だったと言われているが、結局こじれきっていた連立与党内はまとまらず、細川内閣は政権崩壊に向かっていく。この時の小沢-斉藤ラインの福祉税構想から、今回の郵政社長人事でも小沢幹事長の裏工作があったのではと噂されるのであろう。
さて、このような過去の経緯の中で注目すべきは、国民福祉税という自民党時代には到底考えられない「福祉目的税構想」である。自民党政権から連立政権に変わったとはいえ、これまで何にでも使えた5%の消費税を7%にして国民の福祉目的に向けると言うのである。
これは当時の大蔵省にしてみれば驚天動地の財政支出である。それをぶち挙げたのが今回次期日本郵政の社長に内定した「斉藤次郎」である。幾ら連立政権に変わったといっても、過去の歳入歳出にはそれなりの仕組みができており、一朝一夕にこのような大胆な税制改革と財政支出の変更は並の次官では不可能である。これが十年に一度の事務次官と評される所以であろう。
我々国民にしてみれば納めた税金が何に重点的に配分されるかが重要であり、コンクリートより人へ配分してくれる官僚こそ真の官僚である。皮肉なことに村山社会党のために実現はしなかったが、斉藤氏こそ国民の福祉のために国民福祉税構想を実現しようとした、最初の大蔵官僚ではなかろうか。
そのような意識変革のできた元官僚であれば次期日本郵政社長に登用されることは何ら問題はないと思う。逆に民間人でも「かんぽの宿」をどさくさ紛れに息のかかったオリックスに不当販売するようでは、役得に乗っかって政官業の利権構造の甘い汁を分け合っていると思われてもやむをえないであろう。
要は官僚でも民間人でも問題は「人」である。残念ながら朝日の論調は、人物より経歴論、天下り是非論に重点が置かれ、適材適所な人物か否かが論じられていないのである。
「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
厚顔の美少年