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或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

大台到達!

2008-09-22 23:56:00 | 【野球】ペナント日誌 2008
 鷲は所沢へ。
 優勝決定かもとかいう話より隈の20勝が先だよっ! てな日です。
 しかし、試合が始まる前にこんなに緊張したのは久しぶりです。ただネット中継見るだけなのに(笑)。

 と言っても、序盤は仕事しながらなのであんまりちゃんと見れてないですが、それでもちらちらと窺ってみたところでは、立ち上がりはあんまりよくなかったですね、隈。1回終わった時に首傾げてたし。球も高めに外れるのがけっこうあったりして、なーんか今日は変化球がいまいち決まらないの? と思いながら追ってました。
 そんな状態なのに、先制してもらった直後に自分の暴投でタイムリーを打たれて追いつかれて、ますます苦しげな展開に。

 なんせ相手の一久が案の定素晴らしい滑り出しで、鷲打線はもうどんなけ三振するねん君ら。という具合に、面白いように打ち取られていたのでした。なんとか得点圏に走者が進んだ4回も高須が面目躍如できず、中盤は膠着状態。
 ただ、2回を最少失点で凌いだ隈は、3回からガラッと変わりました。それまでは初球がほぼ悉くボールだったのが、早めに打たせて取れる投球に。1点取られて目が覚めたかなという感じでした。

 そして6回、後から知ったけどブラゼルのとんでもないエラーでもらった千載一遇のチャンス。ここで決めないと一久を打ち崩すチャンスはもうないのではないかと思ってました。そしたら4・5・6番一気呵成の3連打! 勝ち越しタイムリーは当然のように高須大先生! で、左キラー中島はいい当たりをなかじのファインプレイに阻まれたものの追加点。
 3点あれば隈なら絶対に勝てる! と信じてやまない今季(笑)ですので、申し訳ないけどこの時点ですでに勝った気になってました。←浮かれすぎです。

 しかし、得点直後のイニングに気をつけろとはよく言ったもので、それに関してはやはり隈も例外ではなかったのでした。
 気づいたら6回裏のレオの打順はトップの片岡から。踏ん張りどころだよー、とこっちが身構える間もなく片岡には初球を捉えられ、来るぞエンドラン! と身構えたら身構えたで見事に決められ(実際の作戦はランエンドヒットだった)あっという間に無死1、3塁。長打で同点、1発で逆転。本日最大のピンチ。
 正直ここは、経過を追ってるこっちは1失点は覚悟してました。が、バッテリーはそうではなかった。義人を渾身のストレートで、しかもど真ん中に決めて空振り三振を奪うが早いか、スタート切った栗山を藤井が見事2塁封殺! こーれーは、後から映像見ても痺れましたねー。バッテリー2人で1年間(だけではないけど)積み上げてきたものを見た感じです。ベースカバーに入った直人のタッチプレイもお見事。でも8回のバント失敗→併殺は、こんな試合じゃなかったら大ブーイングですよ。藤井さん。(笑)
 さてこれで2死3塁。で、最後は怖い怖いなかじをセンターフライに打ち取って、無失点でこのイニングを終えました。

 あとは7回、リックさんがここぞの代打で登場してさっきのお返しとばかりに1、3塁の状況を作ったところで一久をマウンドから降ろすことに成功。やはり6回のチャンスを潰さなかったことが大きかった。よくやってくれました打線。ていうか、何故これが他の試合でできないのだ! と(笑)
 最終的には、満塁にして久々に見た(私が、ですが)岡本真也から山崎がとどめの2点タイムリー。私もここでやっと気持ちが楽になりました(笑)

 4点のリードをもらった隈の7回、またまた得点直後に無死の走者を出したりしましたが、ここまで来るともう試合の支配権を隈が握っていると言っても過言ではない状態。最後はライナーゲッツーというツキまで呼び寄せたピッチングでした。

 この時点で球数は84球と、予想してたよりもかなり省エネ。普通に110くらいで完投できるんちゃうのーと続投を疑ってなかったのですが、意外にも8回からは継投でした。しかも2番手がいきなりグウィン。ま、9回に投げてもセーブつかんしね今日。
 隈は中5だったからなのかな、今日は体の危険信号が早めに出たようです。早めに降りたのはそのせいだったんでしょう、多分。確かに、ベンチでしきりに右肩というか二の腕? を自分で揉みほぐしてたりしたので。
 9回はワンポイントで有銘、締めが川岸と、点差の割にガチガチのリレーとなりましたが、隈からの流れをしっかり守って、本日のM減らしは無事阻止できたのでありました。

 というわけで。
 岩隈久志、5年ぶりの20勝投手に。おめでとう!!

 しかしだ、試合終了後、ヒーローインタビュー待ってたんですよ! なのに放送ないってどういうことですかー!!
 ……と泣きを入れてたのですが、スポーツニュースを見てるとどうも直後のグラウンドではインタビューがなかったのかもしれない。通用口みたいなとこでインタビューに答える隈の映像がありました。しかし、なんでだろう。スポーツニュースだとノーカットで見られないからと思って、中継でのインタビューを期待してたのになぁ。がっかり。
 そんなインタビューで隈は「数字を意識せず、チームのためにと思ってやってきたのが、結果的にこの数字になった」と言ってました。当たり前のように聞こえる言葉だけど、こう自然に言葉にできるようになったんだなーと感慨深くもなります。

 思えば2001年、8月の苦しい時期を鮮烈な先発デビューで救い、さらに優勝に向けた最後の関門の対レオ3連戦を乗り越える口火を、初完投初完封で切った隈でした。まだ2年目の20歳で、今よりもっと線が細かった。
 近鉄最後の2004年には最多勝。あれが球団最後のタイトルになったのかな。その最多勝を引っさげて、日米野球でも素晴らしいピッチングを披露していました。そして翌年、鷲元年には見事開幕を飾り、さあここからという時に相次ぐ故障。今でも「ガラスのジョニー」(なんでジョニー? っていうか何のジョニー? 監督……)とか言われちゃうくらい気を遣わなければならない状態なのは、若干の不安要素ではあるけど、その状況の中で徹底した自己管理をしてここまで来ました。それこそが成長ではないかと。

 ただこの1勝は、今季の隈にとっては通過点だと思いたい。まだ投げる機会も気力も残ってる。最後まで「チームのために」。それがどう結実するか、最後まで見届けたいというのが、見てる側としての今の心境。

 さてそんなわけで、今日のところは目の前で胴上げを拝まされる事態は阻止しました。しかし明日はわからない。
 それを見て何かを感じることも確かに、今の鷲には必要なことかもしれないとは思います。だけど逆に勝ちさえすれば、眼前にすることで嘗めさせられるであろう苦い思いをせずにすむ。その想像力をモチベーションに変えて目の前の1勝を獲りに行くのもありだろうと。
 それに、明日も阻止したら今度はマリさんに回るんで、優勝阻止が大得意なマリさんがここでまたまた本領発揮してくれて面白くなるかもしれないし(笑)

 明日の先発は朝井。まじめな話、隈と田中の間の世代でもある朝井には、ここでしっかり、本当の独り立ちをしてもらいたい。
 前回の登板は、自分は不甲斐なかったけどバックのおかげで勝ち星を挙げることができた。なら今度は自分の腕で獲りにいってください。そして星を2桁にのせちゃいましょう。数字はまだまだ及ばなくても、投げる姿を見てれば感じるものはあったでしょう。さー、隈に続け!


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