おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

出 た つ い で に

2015-10-04 14:34:50 | Weblog

  仲のよかったKさんが亡くなったので、今年はD生命保険のOB会には行くまいと思って居たのに案内が来ると毎年お決まりの栄の国際ホテルへ来てしまった。
 ハガキに「顔を見せて下さいよ」と愛知OB会長の添え書きがあるのも、曲者である。
 三十数年前に資格試験が通った時「働かせてやって下さい」と挨拶に来られた方で夫に「生命保険なんて必要悪でしょ」などと一応は拒否されて、家の前の鏡の付いた標識に車をあててバンバーをへこませて帰った若かった日の支部長である。その頃は労働組合長を、今や総局のОB会長をと老人になっても、大体こういう事が好きな人である。
 百三十四名の出席者に対して、その道の草々たる、来賓十二名の話が長い。OBとは言えお金の事となると、一生涯それに携わっている人が多くて会社側も何かメリットがあるのであろう。最近出来たらしい第一フロンティア生命の円建てと外貨建ての商品の説明などがあった。
 宴会はフロマチックハーモニカの吹奏や、会員のカラオケや日本舞踊が舞台をいろどりコース料理や飲み物をいただきビンゴゲームに続き名古屋ナモガールが出てきてナモ閉めで終わった。
 それからが旧交を温める楽しい時間となるところであるが、私は池下から小幡苗代行きの市バスで気になっている妹の見舞いに行った。
 不明確ながらある程度の意思の疎通は出来食欲はあるので元気だという寝たきりの妹のベットの横で僅かな笑顔に一喜一憂し、夕方まで居て、つききりで看病している甥に車で家まで送ってもらって帰った。
 極端に入院を嫌がるらしい妹の介護を相談もないのにどうこうしたらと口出しする立場ではなく可哀想さが先にたつ。
 お互い最後は、平穏に終わりたいと思うことしきりである。

     俳句  病窓の高きに香る金木犀

 

コメント (2)
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