おにゆりの苑

俳句と俳画とエッセー

おはら風の盆

2011-09-05 15:16:25 | Weblog

 此処二、三年毎年八尾の風の盆が終わってから、しまった行くんだったと思ったりした。
 
そこで今年は一ケ月以上も前から旅行社のパンフレットを見て申し込んで置いた。
 
周りの人は行ったことがあると言うので、一人旅である。観光客が毎年一日から三日の間に、二十五万人以上も訪れるというので、土日を避けて初日の一日で申し込んだ。
 その日は二百十日で、昔から台風が来易い日だけど大丈夫かなあと心配していたらその通り今年はばっちり台風裡になってしまった。
 それでも初日の一日の集合時間は雨も降らず意気洋々と心弾ませて出かけた。
 バスは北陸自動車道を通り時間通りに富山駅に着いた。夕食の弁当を受け取って JRで越中八尾駅まで三十分を移動し、さあそれからが大変。
 街並を歩くのだけれど、パンフレットにある何か所もの踊りの会場への、それぞれのキロ数や所要時間が書かれていない。
 観光客をみこんだ夜店が立ち並び、車はご法度、タクシーも籠屋も居ない。
 八尾八幡社へ着くと丁度胡弓の音につれて踊りが始まるところであった。哀調を帯びた音色が夜空に消えて行き編み笠をかぶった若い女性が手をさし腰を振り叙情豊かに気品高く唄に合わせて踊り、はっぴすがたの男性や、童もついて 巡っていく。
 次々と踊り会場を廻って観るつもりであったが十三石橋で、おねりの行列が来るのを待っていると雨が降り出した。
 東京からと
言う隣に居た男性が、胡弓や尺八の繊細な楽器を保護するために雨降りには中止になると言われるので、橋のたもとの行灯から離れて傘をさして駅への道をとった。
 岡崎から来ていた二人連は雨が止んだのでもう一ヶ所見ることが出来たと言っていた。
 踊りの場は十一箇所もあって、それぞれの街の特徴を披露するのだとの事だから来年は夫の姉のKさんを誘って出直そうと思う。
 その義姉のご主人が富山県の出身であったのに、八尾の風の盆には行ったことが無いのだそうな。
 踊り手が地方の囃子に自から陶酔して輝いて踊りまくる(深夜になるらしいから一泊しなければね)哀切な行列を是非とも観たい。
 
車中泊のバスは下呂方面から下を走って翌朝六時前に名駅に着いた。
    
   
俳句  せつせつと泣くがごとくや風の盆

コメント (5)
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