僕が高校生の頃(大昔ですけど)、「文通」というのが流行していました。
会ったこともない人と手紙のやりとりをするわけですが、若い者向けの雑誌にも、「文通コーナー」というのがあって、そこに登録すると住所・氏名・年齢等が雑誌に掲載されて、それを見た人がその中の誰かに手紙を出し、「文通」が始まるというような形でした。
で、僕の場合は、高校生だった僕に、近所の薬屋さんのお姉ちゃんが、
「うちの親戚の女の子と文通せえへん?」と言ってきたのでOKしました。
その親戚の子というのは、徳島県の穴吹というところに住んでいました。
住所と氏名を聞いて僕は手紙を出しました。
「三宅知子」という人でした(よ~く覚えているでしょ、へへっ)。
1年間ぐらい、手紙のやりとりをしたのですが、結局会うことはなかったです。
ところで…
その手紙で、僕は恥ずかしい間違いをしてしまった。
今日はその話なのですが、その間違いは何かというと…
季節がちょうど今頃で、あちらこちらに鯉のぼりが見えていました。それを僕は手紙に書いたのですが、えらい間違いをしてしまいました。
「鯉のぼり」を間違って「鯨(くじら)のぼり」と書いたのです(笑)。
漢字の「鯉」と書くところを「鯨」と書いてしまったんですよね。
今はパソコンだから「こいのぼり」と打てば「鯉のぼり」と出ますが、当時は全部筆記だったのでね。漢字の書き間違いもありますよね~
「そろそろ鯨のぼりの季節になりましたが、お元気ですか?」
と書いたのだと思います。
すると相手の人が、
「『鯨のぼり』って面白いですねぇ」
と書いてきたのです。
それを見て「しまった。えらい間違いをした!」
僕は、穴があったら入りたいくらい恥ずかしい思いをしました。
「すみませ~ん。『鯨』ではなく『鯉』でしたね~」
というような返信をしたと思います。
そしてそんな記憶の底に消えかかっていた大昔のエピソードを、つい最近思い出したのです。
それは、NHKの「列島ニュース」という番組を見た時でした。
九州・宮崎市の佐土原町という町で、
「くじらのぼり」が掲げられているというニュースでした。
それを聞いて僕は「くじらのぼりだって?」とビックリ仰天。高校生の頃の文通相手の人に「鯨のぼり」と手紙に書いたあのことが、電光の如くよみがえってきたのです。
ニュースによると、宮崎市・佐土原町の「くじらのぼり」は、同町の商工会青年部が毎年「こどもの日」に向けて掲げているもので、鯨のようにたくましく育ってほしいという願いが込められており、この地方の名物になっているとのことでした。
文通の話は50年以上昔のことですが、まさかこの年になって「鯨のぼり」という存在を知り、実に感慨深いものがありました。
まぁ、そんなことでしたけど。
しかし「文通」と言うのも、今は死語となりましたね。
SNSのような形で、ネットで見知らぬ同士がつながるというのが今の時代ですけれど、かつてはこういう「文通」というのがあったんですよね。現代社会ではSNSがきっかけとなった犯罪が多発していますが、当時は「文通」で犯罪が起きたなんてこと聞いたことがありません。
やっぱり昔は、それなりの風情があって、良かったですねぇ(笑)。
宮崎市・佐土原町の「くじらのぼり」の写真です。
「鯉のぼり」ではなく、「鯨のぼり」ですよ(笑)。
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