僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

フィレンツェの思い出 

2016年02月17日 | 旅行

イタリア・ルネサンスを代表する画家、ボティチェリの絵画展が、
東京の美術館で開催されていることを、先日の新聞で知りました。
ボティチェリの「日本初の大回顧展」と銘打たれていました。
日本イタリア国交150周年記念の催し…とのこと。

ボティチェリと言えば「ヴィーナスの誕生」が有名ですね  


 


学校の美術の教科書でもこの絵が出ていて、よく覚えています。
東京でのボティチェリ展にはその絵は来ていなかったようですが、
「代表作」と新聞で紹介されていた「アペレスの誹謗」というのは、
イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で見たことがあります。
もちろん、その時に「ヴィーナスの誕生」も見ました。

新聞記事を読みながら、そのフィレンツェ旅行のことが思い出されました。

 ………………………………………………………………………………

フィレンツェに夫婦で旅行したのは、11年前のことになる。
行先はフィレンツェのみ。往復の飛行機とホテルだけの予約。
そんな個人旅行だった。
これまでのブログにも書いたことがあるけれど、
旅の初日、フランクフルトでフィレンツェ行きの飛行機に乗り換え、
夜にフィレンツェ空港に着いて、タクシーでホテルへ行こうとしたら、
運転手が、きょとんとした顔で、
「フィレンツェのホテルだって? だんな、ここはボローニャですぜ」
と言ったときには、ひっくり返りそうになった。

「えぇ?」と事情を聴いてみると、フィレンツェは濃霧で着陸できず、
そこから100キロ以上も離れたボローニャ空港に着陸した…というのだ。
つまり、いま僕たちがいるところは、フィレンツェではなかったのだ。
機内放送がされていたようだが、そんなことは何も知らないままだった。

空港に着いて、周囲はやたら携帯電話をしているのが目についたけれど、
日本人は一人もいないし、何が起きたのか、全然わからないままに、
空港出口のタクシーでフィレンツェ駅前のホテルへ行こうとしたわけ。

まさにアッと驚く展開で、そのあと習いたてのイタリア語で四苦八苦しつつ、
何とか列車の駅へ行き、特急列車に乗ってどうにかフィレンツェに着けた…
…という、まったく思いも寄らぬ滑り出しになった旅行だった。

しかしまぁ、苦労した甲斐は十分にあり、
フィレンツェの街はとても素敵だった。


フィレンツェに着いた翌日、バスでシエナという街を見に行ったあと、
午後から、フィレンツェの中心となるドゥオモ周辺をぶらぶら歩いた。

昼食に入った店で、パスタを注文した時のこと。
妻も僕も同じパスタを注文したのだけれど、店のお姉さんは、
「ここにはいろんなパスタがあるのだから、2種類注文してよ」
と、勝手に別々の種類のパスタを持ってきた。なんとまぁ強引な(笑)。

パスタでお腹がいっぱいになったところで、街の中を歩いた。
すぐにドゥオモが見えてきた。
洗礼堂、ドゥオモ、ジョットの鐘楼などが並ぶ光景は絵に描いたようだ。
壮麗、華美、圧巻。こちらの身が、すくんでしまいそうだった。

 


 
  ドゥオモ(大聖堂)を背景に。


 
  カルツァイウォーリーはフィレンツェで最も賑やかな通り。

 

そこから、カルツァイウォーリーという通りを歩くと、
シニョリーア広場というところに出た。
映画「眺めのいい部屋」で、女の主人公がこの広場で、
いろいろな出来事に遭遇するシーンは、とても印象的だったな~

そこには彫像が並び、中にはミケランジェロ作のダヴィデ像もあった。
これはレプリカで、本物はこの近くのアカデミア美術館というところにある。

実はこのダヴィデ像は、今は美術館の中に置かれているけれど、
これが完成した時、どこに置くかが議論になりいろんな意見が出た。
その結果、このシニョーリア広場に面したヴェッキオ宮の、
正面入り口の脇に置く…ということに決まったそうである。
つまり、いま、このレプリカがあるところに本物があったのだ。



 
  シニョーリア広場からヴェッキオ宮を見る。
  建物の前にいくつかの彫像が並んでいる。

 

    
    その中にダヴィデ像(レプリカ)があった。
    元々、ここに本物の像があったそうだ。


さて、そのシニョーリア広場のヴェッキオ宮の、

奥のほうに行くと、有名なウフィツィ美術館があった。
冒頭のボティチェリの「ヴィーナスの誕生」などがある美術館だ。
メディチ家の収蔵品をもととし、ルネサンス絵画の宝庫と言われ、
フィレンツェに来たからには、必ずここへ入らなければならない。

しかし美術館は、どこが入口かわからないほど長蛇の列だった。
(ただし、団体客は並ぶことなく、別の入口から入って行った)

この時期は、わりに観光客の閑散期で、どこも空いていた。
しかし、さすがにここだけは多くの人が並んでいた。
たぶんこれでもまだ少ないほうかも知れないけれど、
午前中に、シエナの街を歩き回って疲れていたので、
ここでこれだけの列に並ぶ元気は残っていなかった。
また明日か明後日に来たらええわ…。

そう言いながら、僕たちはウフィーツィをあとにして、また歩いた。


 
  ウフィーツィ美術館には、長蛇の列が…
  

そして近くのドゥオモ付属美術館を覗いたら、ガラ空きだったので入った。
ここは「聖母子像が必見」…とガイドブックに書かれてあった。


  
  聖母子像の前で。撮影禁止の札は見えなかったので、パチリ。


ドゥオモ付属美術館を出て、次はアカデミア美術館へ行った。
どれも近くにあるので、歩いてもすぐである。

このアカデミア美術館で、いよいよ本物のダヴィデ像が見られる。
胸ワクワクで、ガイドブックの地図を眺めながら、テクテク。

そして、入口で一人8ユーロの入場料を払って美術館に入った。
ここも見学客は少なかった。とにかく、ダヴィデ像を見なければ…
館内を足早に歩いて行くと、向こうの方に凛々しく立つ像が見えた。
これぞ小学生の時から写真で見ていたダヴィデ像の「ほんまもん」だ。
ミケランジェロという名前も、中学校の美術の時間で覚えた。
周囲には僕と妻のほか誰もおらず、シーンと静まり返っていた。
ルーブル美術館にあるミロのヴィーナスは、4回見たけれど、
いつもそこは人だかりだった。しかし、今、ここは誰もいない。
僕と妻とダヴィデとの“3人きり“でありました~♪ 


  
   残念ながら撮影禁止だったので、
   ネットの写真を載せます。
   僕たちが行った時、ダヴィデさんは、
   一人ポツンと寂しそうに立っていました(笑)。
 


さて、そうこうしているうちに夕方近くになった。

僕たちはホテルに戻ろうと、来た道を引き返して行ったら、
ウフィツィ美術館に並んでいた人の列が、全くなくなっていた。
思わぬチャンス到来である。もちろん僕たちは、入口へと急いだ。

そして、他に誰もお客のいない窓口で、
一人9.5ユーロを支払って中に入った。

憧れの「ヴィーナスの誕生」に会えるのが、とても楽しみだった。

 

 

 

 

 

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