昨日の記事に関連しまして…
「魅せられて」
この歌は、ほんと、大好きなのです。
今から36年前の1979(昭和54)年に流行った歌ですが、
この年には、ほかにも好きな歌が2曲ありました。
ひとつは、八代亜紀の「舟唄」。いいですねぇ~、あの歌も。
お酒はぬるめの燗がいい
肴はあぶったイカでいい
女は無口のひとがいい
灯りはぼんやり灯りゃいい~
八代亜紀の歌の中で、最も好きな歌です。
日本酒を飲んでいるときには、ふとこの歌が口をついて出ます。
モミィが聞いたら、「ぬるめのカンて何やのん?」と言われそうですが。
もうひとつは小林幸子の「おもいで酒」。
無理してぇ飲んじゃ いけないと~
肩をやさしく 抱きよせた~
これもいい歌でしたね~
(なんだか…お酒の歌ばかりですけど)
去年のことですが…
仲間たちとある居酒屋へ飲みに行ったところ、
注文を聞きに来た女性が小林幸子そっくりだったので、
「おネエさん、よく似ていますねぇ」と言ったら、
その女性は「おもいで酒」の節回しで、
「うふっ。♪ 無理してぇ~……飲んでねぇ」
…と口ずさんだので、みんなで大ウケしたことがありました。
ところで、僕の好きなこの3曲は、前述したように、
すべて1979(昭和54)年に流行した歌でした。
その年の紅白歌合戦はその3曲が入っていたので特に楽しめました。
ジュディ・オングは元々歌手じゃなかったので、これが紅白初出場。
小林幸子も、後に「豪華衣装」で紅白の顔とまで言われましたが、
この「おもいで酒」が、紅白の初出場でした。
もちろん衣装もシンプルで、あの頃の彼女が一番よかったですね~
そして紅組のトリ、それも大トリで八代亜紀が「舟歌」を歌いました。
とても印象に残ったこの年の紅白歌合戦でした。
さて、話は映画のことになりますが…
高倉健さんの「駅」という映画で、忘れられないシーンがありました。
居酒屋の女将の倍賞千恵子と2人で、テレビの紅白歌合戦を見る場面。
まったく一言のセリフもなく、テレビの音声だけが流れるシーンです。
そこで流れてくるのが「魅せられて」と、
「おもいで酒」と「舟唄」の3曲でした。
僕の好きな歌ばっかりやん…と初めてこの映画を見た時、驚きました。
「魅せられて」と「おもいで酒」が流れているときは、
健さんも倍賞さんも、じっと黙ってテレビを見ているだけ。
最後に「舟唄」が流れた時、健さんが倍賞さんの肩にそっと手を回し、
少し間を置いたあと、倍賞さんが切なさそうにその手を握り返します。
テレビでは「舟唄」が流れ続ける…。
まさに胸が熱くなるシーンでした ↓
この時、2人の視線はテレビの紅白「舟唄」に向いています。
昨年、高倉健さんが亡くなった時、このブログで、
健さんの映画の中で一番好きなのは「駅」だと書きました。
中でもこの、黙って2人で紅白を見るシーンが最高でした。
あぁ、よかったなぁ…
「魅せられて」から、話がだいぶ曲がりくねってしまいましたが…。