おとといの昼頃、ピンポーンと玄関のチャイムが鳴った。「は~い」と妻が出て行くと、郵便局からの簡易書留だった。受け取って戻ってきた妻に「何やったん?」と聞いたら、「これよ」と見せられたのが、市役所からの封書だった。その中に僕の「介護保険被保険者証」が入っていた。
か、か、介護保険??
いつのまにそんな年齢になったのか。
僕が市役所に勤めていた50歳ぐらいの時に、介護保険制度が始まった。(今、調べたら2000年施行とあった)。保険料は40歳から納めるのだから、当然僕もその時点から通常の健康保険料に加算されて納めてきた。そして65歳になった日から、今度はこの保険が適用されて自分が介護を受けられる立場になるのである(むろん保険料は納め続けるわけですが)。でも当時は、そんな年になった自分の姿を想像することはできなかった。まだまだ、ず~~~っと先の先のことだと思っていた。それがもう…。なんちゅうこっちゃ。
送られてきた「介護保険被保険者証」を手にし、まじまじ見つめながら、なんだか急に自分がお爺さんになったような気がした。同封されていた「介護保険ハンドブック」という小冊子をパラパラめくってまた封筒に戻し、妻に渡した。妻が「他の保険証と同じところに入れておくわね」とそれを持って行った。
…誰でも年は取る。順番に年を取る。しかし当人にはあまりその自覚がない。自覚がなくても、こうして介護を受ける「資格」ができたりすると、否応無しに自分の年齢を意識しないわけにはいかない。なんだか妙な気持だわ。
そして今日、僕はその65歳になった。