めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

散って、なお美しく

2016-04-09 15:11:04 | お花見

週末になって、天気も回復し、暖かさが戻って来ました。
目黒川の方を眺めると、ビルの隙間から、少し褪せて
赤い花芯が目立つ桜がこんもりと空に浮いています。
さすがに、この時期ともなると、胸をときめかせて川まで
カメラ片手に急ぎ足と成るこ事も有りません。

出勤の前に、諸々の仕事を終え、ゆっくりと玄関先に出ると、
川の方から、人々の声が聞こえて来ます。
花弁も半分以上が散ってしまい、もう、以前ほどの盛況ではなく
人々も、ことのほかゆっくりと祭りの後を楽しんでいるかのような
雰囲気です。

いつもの場所までやって来ると、あれ程にも華やかに咲いていた
華やかな桜の花が、一つとして花弁が揃っている物が無く、
風が吹く度に、一斉に川の流れの様に空中を漂います。

今日の目黒川の様子を記録として撮っておこうと思い、
近くの橋の上まで来ると、何と、黒い川面に、ピンクの帯が
大きく蛇行して、次々に形を変えて行きます。

毎年、桜が散った時の最後の楽しみとして期待はしているのですが、
目黒川の水が無かったり、風が強すぎて、川に落ちる花弁が
少なかったりと、なかなか思ったような美しい帯は見られません。

今日は、思ったよりも美しい流れと成りました。
多少水量が少なく、川の流れも殆ど見られない事から、
水彩画の様な美しさとまでは成っていませんが、川の上流から下流まで
幾つもの桜のベールが、風と川の流れで、次々に形を変えながら
観ている人たちを感動させます。

橋のたもとで、数人の観光客が、仕事の関係で桜の満開の時に
来る事が出来ず、散ってしまった後に訪れた事を悔いていましたが、
彼女たちが橋の中央まで来た時、揃って歓声を上げた事に
思わず、心の中で、良かったね!と声を掛けました。
桜の花は殆ど散っているものの、美しいピンクの帯や、残された
桜の風情に満足げな顔は、目黒川の近くに住む私の心も
安らぎ、肩をなでおろしました。

しかしながら、美しいものは、一番見栄えの有る時だけでなく、
様々な時期に感動を与えるものです。
桜を愛でる人達の中には、桜が散り始めたら、もう興味を無くし
桜の地を訪れる事も無い方も多いと思いますが、散った後も
これ程にも感動を与えるものなのです。

私達が、思わず感動する大自然の光景は様々ありますが、
桜と同じく、終わってしまったと思った後に、新たなる感動を
見せてくれるものが有ります。
誰もが見入ってしまう美しい夕焼けの色も、実は、同じような
感動を得られる事が有るのです。

殆どの方が、太陽が西の山並みや水平線に沈んでしまうと、
直ぐに真っ暗になり、もう、美しい景色は見られないと思っていますが、
夕日も、時に、素晴らしい場面を隠している事が有るのです。
太陽が西の空から完全に沈んでしまうと、アタリは真っ暗になり
すでに、夕闇が訪れてくるのですが、時々、沈んだはずの西の空が
真っ赤に大きく色づく事が有ります。

大体日没から20~30分程して起こることが有り、その事を知ってたり

見た事のある人は、しばらくはそのまま暗い西空を見続けます。
天候によって、いつもと言う訳では有りませんが。いい条件に恵まれ
その場面の遭遇すると、夕日が落ちて行く時以上の感動を得られます。

桜は、何も言わず、そこに咲いているだけで、これ程にも
多くの人々に感動を与えるのです。
私達の生活も人生も、地球の自然が有ってこそ成り立っている事を
あらためて感じると共に、いかに、これまで失われた多くの自然を
未来の為に取り戻せるかが、私達に科せられた使命とも言えます。

 



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