めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

日本人は本当に幸せなのか

2016-04-11 19:18:32 | 人生

仕事の合間をぬって、夕方のまだ明るいうちに外に出てみると、
そこは、多くの人々でごった返していました。
仕事柄、多くの人が帰宅し、夕飯も済ませた頃に帰宅する為、
一番街が活気づく時間帯に街に出る事は、滅多に有りません。

公共機関を利用する時も、サラリーマンが会社に出かけた後に
我が家を出る為、ラッシュアワーを体験する事が有りません。
その為、平日の夕方の商店街の活気の凄さには、思わず、
我町かと疑ってしまう程です。

しかしながら、それにしても、高齢者の多い事に驚きます。
私が幼い頃は、高度成長期に入り始めた頃で、夕方ともなれば
お年寄りもいましたが、若い人や若い主婦が断然多く、
子供達も買い物や夕飯の準備を手伝わされ、夕食時が
一家のメインイベントの様に賑やかでした。
三世代が同居する事は珍しくなく、今と違うのは、子供の数が
どの家庭に於いても目立っていました。

その頃の日本と今を比べると、確かに遥かに便利で文化的な
生活に恵まれてはいますが、そこに息づく人々の勢いは、
昔の方がはるかに有ったように思えます。
現代は、単に高齢者が多いと言うだけでなく、活気は有るものの
人々の顔には笑顔が見られず、どの顔も、どこか心に不安を感じ
未来を憂いでいる様に感じます。

私達日本人は、世界でもトップクラスの生活をしていると言われますが、
果たして、本当に幸せなのでしょうか。
増々管理される社会と成って、自分の未来が予想できる世の中に
多くの若者たちは、若くして生涯の設計を立ててしまうと言われます。
豊かな人達はより豊かに、貧乏な人はいつまでも貧乏と言う社会は
人々の心から夢を消し去り、日本全体の動きを梗塞させてしまいます。

未来が保障されなければ、少なくとも今だけでもと考えてしまうのでしょうか
刹那的で自己中心的な考えを持つ人が増えています。
他人の事を考え、相手の気持ちを労わり癒す為には、豊かな心と共に
将来への希望が無ければ出来ない事です。

自分の事すら精一杯なのに、他人のことまで考えると言うのは難しく、
特に、今の若者たちにとっては、社会と交わらず、自分の世界だけに
止まり、他人に対して、反応すらしない者もいる様です。

これ等の事は、決して今の社会や若い人たちが悪いのではなく、
むしろ、そんな風潮を無視してきた、高齢者たちに責任が有るのです。
バブルが崩壊して、自分たちの将来が危うくなりつつあることに
不安を感じている高齢者にとって、将来が見えない社会が、
自分たちが築きあげてきた社会であると自覚している人は少ないです。

スパルタ教育で、弱肉強食、更には、消費経済の真っただ中で育った
日本中に溢れている高齢者たちは、自分たちの蒔いた種で、
今の不況社会が出来た事を解っていません。
厳しい受験社会を緩和する為、ゆとり政策を行なえば、心豊かな子供達が
育つと信じたものの、逆に社会を停滞させる要因を増したに過ぎず、
全ての政策が後手後手に回っているのが現状です。
また昔の様に豊かな消費社会が来れば世の中が回復すると考える
年寄りの政府高官も多く健在で、一体、今の社会が何を求めているか
今の若者たちが何に悩んでいるのかを解かろうともしません。

今の日本社会に足りないもの、それは、経済力では有りません。
若者も年寄りも、言うなら、全ての世代が求めているもの、それは、
何かを求める社会ではなく、心を癒し満足できる社会なのです。
つまり、自分の行う事が認められ、自分の存在価値が感じられる
社会なのです。

若者も、高齢者も、社会から日本から、はじき出されない為に必死です。
何の為に生きているのか、毎日の生活を頑張っているのかが解からず、
ただ、世の中の流れに合わせる事に苦慮しているのです。
ネットの発達により、様々な情報が入って来るものの、自分を癒すより、
自分が求めなければならないものを知らされます。

若者は、若者として、存在する為の知識や流行を身に着け、高齢者は、
健康的に豊かに暮らして行く為の経済力や社会常識を求められます。
今やマスコミから流れる情報は、日本人が知らない事を放送する事で
視聴率を上げています。
より多くの雑学を知っている人が崇められ、知識が有る事、経済力が
有ることがステイタスであるかの様な風潮です。

人は、それぞれ生きる所で満足する事が大切なのです。
それぞれの生活の場で、一番自分を満足させられる方法知識が必要であり
学者の様な知識が必要でも、大金持ちの様な経済力も必要ではないのです。
一人1人が生きている場で心安らぐ生活が出来るかが大切なのです。

その為には、その周囲の人の気持ちを感じる力が必要なのです。
その地域で生きて行く為の経済力が必要なのです。
政府にコントロールされたり、マスコミに踊らされる知識は実際には思ったほど
役にはたたず、ただ振り回され無駄な消費を強要されるに過ぎないのです。

今の高齢者が作り出した社会不安が、高齢者自体だけでなく、若者たちも
巻き込む事に因り、日本中の人々が、何時まで経っても安心して生活できず
このままでは、未来永劫、日本人は、不安な生活から逃げられないのです。



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