めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

桜に見る私達の命

2016-03-18 17:03:54 | お花見

急に気温が高い日が続き、桜の開花予想が何日も
早くなっている様です。
とは言うものの、目黒河畔を歩いてみても、殆どの枝は
少し膨らみが大きくなっているとは言え、まだまだいつもの
華やかさには程遠い状態です。

しかしながら、後10日もすれば、毎年の事ながら、一日中
遊歩道を歩く人が絶えず、桜狂想曲が始まるに違いありません。
地元の我々でさえ、このシーズンは興奮してしまうのですから、
遠く足を運ばれてくる方々は、さぞや、感激はひとしおと思われます。

これ程にも有名になった桜並木ですが、30年ほど前、護岸工事や
河川改修工事を行なった頃は、本当に貧弱な姿でした。
その前の昔からの桜の印象が強く、数年間は、桜を愛でると言うより
単に、その季節の訪れを知る為の街路樹に過ぎませんでした。

一般に桜と言えば、殆どがソメイヨシノに代表され、目黒河畔のみならず
日本中の桜並木と言えば、この桜が植えられている事が多いです。
しかしながら、この桜は、桜の中ではとても弱く、寿命も人間と同じ位で
50年も経つと、幹が割れたり腐ったりと、街路樹としては危険と成り、
そのころには伐採されるのが普通です。

その為、目黒川も、定期的に植え換えられる様になったのです。
しかし、桜の古木程風流で美しい樹体を見せるものも少ないです。
日本中で数百年も生きている古木は、いずれも、この時期と成ると、
花の美しさのみならず、その長い月日を感じさせる樹体に
感動するものです。

目黒川の桜も、上流に行くと、川をトンネル状に覆う程に育って来ました。
木の寿命からして、今が一番美しい時期と思われ、年々多くの観光客が
訪れるのも、この立派な姿に引きつけられるからでもあるのです。

桜の花が、その華やかさと美しさをより際立たせているのは、
ほんの数週間すると、あっという間に美しさは色褪せ、夢の後の様な
錯覚を抱かせる事にも私達は感動するのです。
異栄枯盛衰、人生を想わせる桜の一生は、いつまでも日本人の心を捉え
美しい日本の四季の一つとして、私達の心に深く刻まれて行くのです。



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