めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

台風がやって来る!

2018-09-30 17:35:38 | 日本人

今日も列島は巨大台風の襲来に怯えています。
近年、台風や集中豪雨は特別のものではなく
被害を忘れる間もなく、次々にやって来ます。
かつて、災害は忘れたころにやって来ると
言われていて、被害を受けて慌てて日頃の備えを
反省したものですが、最近は、災害は、けっして
特殊な物でなく、誰もが明日にも被災する
可能性が高い時代となったのです。

よく、時代が変わったと世の中の事を言いますが、
今や地球環境が、日本の気候が変わってしまったのです。
しかしながら、多くの方が、異常気象と言うように、
いまだ、かつての温暖な時が戻ってくると信じています。
30年ほど前ならば、最近の荒っぽいお天気は、まさに
異常気象と言えるのでしょうが、昨今は、穏やかな
日本の四季を感じられる日々が懐かしく思えます。

そう、もはや、日本の四季は過去のものになりつつあります。
幼い頃から、人生の半分以上を素晴らしいに日本の四季に
育てられてきた高齢者たちは、残り少ない人生を、
日本中の自然を訪ねて全国を渡り歩き、遠い良き時代を
懐かしむのです。

しかし、現代に生きる子供達若者たちは、素晴らしい
日本の四季を体験できません。
生まれた時代が、誰にとっても最も相応しい季節と成って
将来懐かしむものと言われますが、近年のように
毎年、異常気象に悩まされて、災害に怯える思いでは
決して素晴らしい思い出とは成りません。

私たち人間は、生物学的にはとても脆弱な生き物ですが
これほどまでに進化して、地球を支配するまでなったのは
いかなる時代に於いても、自分たちの置かれた環境に
素直に立ち向かい、努力を重ねてきたからです。

ところが、近代、私達人類は、大自然の富を、全て
人間が独占することを目指しました。
経済的豊かな生活をする事を至上の目的として、
生き物の頂点となるべく、全ての生き物の命の糧を
奪い去るまでに成りました。

この事は、化石燃料を手に入れる事で長足の進歩を遂げ
人類のテリトリーは、全地球に及びました。
しかし、私達人類は、地球の生き物たちの食物連鎖の
一つの生き物であることを忘れていたのです。

私達人類が、地球環境に与えた物、それは、すべての
生き物たちにとって生活と命を奪うものでした。
過去100年に絶滅した生き物の数は、かつて、恐竜が
絶滅した生物大絶滅の時代をはるかに上回る規模です。
すでに、第六の生物大絶滅が始まっているするとする
学者も多くいます。

当然、この危機を招いたと言えるのは人類なのですが、
現実に、この激動の時代に我々は生きているのですから、
はっきりと、この状況を理解し、災害が当たり前の時代に
災害が誰にでも降りかかる事を前提とした、国民全体を
守る国策を考える事が重要です。

つまり、災害に対して、全ての国民を守る社会保障を
確立することです。
災害に見舞われるたびに、被災者対策を考えている様では
これからの時代は生きては行けないのです。
この事は、近い将来、超高齢者社会が来て、高齢者福祉が
大問題となる事を解っていながら、国民にその対策を委ね
日本の高齢者を苦しめる結果と成ってしまっている今、
全ての国民に襲い掛かる災害に対して、いまこそ、
抜本的な対策が求められるのです。

経済的に豊かな人達をまもる政策を行い続ければ、
いずれ国民の多くの生活が破綻し、日本は、日本人同士で
大きな確執を生むことになるかも知れません。
すでに日本社会は、経済的豊かな人達を生かすための
社会構造と成っていて、消費者として位置づけられた
大多数の国民は、大災害に見舞われても、自分たちを
守る事も、災害から復興することも自力では出来ず
ひとたび被災すれば、一生その苦しみを背負い続けねば
ならないのです。

つまり、日本社会に於いて、どの階層にいて生活しているかで
将来、災害に見舞われた時の被災レベルと復興レベルが
決まると言っても過言ではないのです。
今の日本社会に於いて、豊かな暮らしが出来るのも、災害から
どれだけ身を守れるかは、自分が置かれた環境で決まると
言える時代と成ってきたのです。

台風や地震と言った広域災害を受けて、誰もが同じように
苦しい復興の日々を過ごしているかと言えば、実際は
人々のその後の生活は、社会環境で決まると言ってもよく
メディアは、より不幸な部分をとらえがちですが、
復興レベルは、人によって驚くほど違っています。

ニュースソースとしては、より悲惨で苦しい生活を
強いられている被災者を取り上げますが、現実は
やはり、苦しむ国民は、普段の生活でも苦しい国民であり
日本の社会構造は、災害に於いても、豊かな人達は、
いち早く復興し、日々の生活に苦しむ人たちは、より
苦しい日々を送らなければならないのです。

民主主義社会と言うのは、大多数の賛成をもって
物事が薦められ、国民の殆どが幸せであることが
国家を進める条件と言えます。
しかし、今や、国民の大多数が日々の生活に苦しみ
外見的な豊かさを演ずることに疲れています。
社会的に豊かでなくても、豊かであるようにしなければ
生きて行けない現代社会は、多くの国民が顔で笑って
心で泣いているのです。

この弱者の心が解らない政治家が多く、彼らの顔を
向ける方向には、常に、経済的に豊かな人々がいて
自分たちの興味の対象は、彼らもより豊かな生活です。
政治家としての使命は、いつの間にか私欲にとって代わり
何時まで経っても国民は幸せに離れないのです。

いよいよ紀伊半島に台風は上陸し、あと数時間もしないで
関東地方も暴風圏に入ります。
全ての交通機関が止まり、ニュースは絶え間なく警報を
流しています。
台風はスピードを増して、日本列島を北上しようとして
居ますが、その勢力は衰えず、明日になれば、またもや
各地で大きな被害が伝えられるでしょう。
いつの日か、どんな災害に見舞われようと、安心して
明日を迎えられる国になる事を心から願いたいものです。