めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

誰もが、被災者になる時代

2018-09-01 11:53:32 | 日本人

地球温暖化のみならず、今や、地球自体の地殻の変動期に成っていると言います。
大気はどんどん温められ、地殻は不気味に動き始め、地震や火山の噴火が、
世界的に頻発しています。
日本は、大陸プレートのせめぎ合いによって地下から噴出した膨大なる火山噴出物
によって作り上げられた島国で有り、地球の歴史の中で様々に変化をしながら
現在の形に至りました。しかしながら、今なおその変化の途中で有る事は知られていて
いずれ遠い未来には、現在の形とは全く違った日本列島になるとされています。

しかし、これまで、穏やかであった地殻の変動が、東日本大震災の頃から次第に大きくなり
その後も、幾度となく巨大地震が発生し、日本各地で大きな傷跡を残しています。
最も危険視される東海沖地震と南海地震の発生は、タイムリミットを迎えていると言え
いつ起こっても不思議では無いとされています。

所が、ここ数十年の間には、予想された地震よりも遥かに多い、内陸型の直下地震が頻発し
この予測は、殆ど不可能と言われる程、危険地域が全国に広がっています。
危険な断層地帯を記すハザードマップを見れば、日本中全ての地域が対象と成り、まさに
私たち日本人は、誰しも地震の被害を受ける危険性があると言えます。

もちろん、私達は、この危険な土地の上に住んでいる事は昔から知られていて、歴史上も
幾度となく、大地震に襲われ、多くの被害を被っているのですが、今や、日本列島に住む
日本人の数は昔に比べ非常に多く、一度大震災が都市部を襲えば、その被害は、想像を絶する
規模となる事が予想されます。

ここ数年、更なる問題が、異常気象に伴う、想定外の記録的な豪雨が日本列島を襲っています。
台風による被害のみならず、雨をもたらす前線の発達が異常であり、一度雨が降り出すと
各地で観測史上初と言う豪雨をもたらしています。
かつて数十年に一度と言われる豪雨が、日本中で頻繁に起こっているのが問題です。

これまで、豪雨と言えば、台風が直接もたらすものや季節代わりの梅雨の末期の豪雨が
知られていますが、これとて、普段の雨に比べて降水量が多いと言うだけで有って、
時折、局所的な被害は有っても、一時的な大雨に過ぎなかったのに、最近の豪雨は、
一か所に留まったり、何度も繰り返したりと、日本の気象の歴史とは異なったものです。

特に今年の夏は、猛暑で、日本各地が記録的な気温上昇だったのですが、猛暑をもたらす
南からの水分を多く含んだ大気は、雨雲と成って、日本各地に豪雨をもたらしています。
気象の変化は、日本列島の四季と成って、季節季節の様々な幸を生んできたのですが、
ここ数年の異常気象は、完全に日本の四季を破壊し、日本の自然の生態を変えてしまった
だけでなく、私達日本人の生活すら狂わせてしまいました。

大自然の変化は、日本人に恵みを与える時代から、脅威を与える時代と成って来たようです。
かつて、台風の様に、一過性の気象変化も例年の予測を超える事は殆ど無く、次の季節への
移り変りを示していたのですが、台風自体も次々に予想を超える大型化と成り、それに伴い
齎される雨は、尋常ではない豪雨と成って、各地に大きな被害を与えています。

メディアは、人々の被災状況を伝えますが、これから大きな問題と成って来るのが、
私達の食生活を支える農林水産業への影響です。
日本の四季の変化は、太古の昔から、私達日本人に大自然の恵みを与えて来ましたが
今や、連続性を伴った高温と豪雨は、日本の自然のリズムを破壊していて、このままでは
ますます、食料自給率が低くなる可能性が出てきているのです。

ならば、世界中から輸入すれば良いと考えるのは、高度成長期の夢が捨てられない人達の
浅はかな考えで有り、異常気象を伴う食糧危機は、これから先、日本に食料供給を難しく
して行くと言う事実を踏まえなければ、気が付いたら、日本は、食糧難の国になってしまうのです。

地震に備えて、数日ないし一週間程の食料と水を準備する事が望ましいとする政府関係者の見解は
既に焼け石に水であるかも知れません。
広域災害が頻繁に起こる時代がやって来る可能性が高いのです。
多くの政治家や学者は、大災害は、滅多に起こらず、一度起こればその後はしばらくは大丈夫とする
過去の資料に基づいた想定を行っています。

しかし、今年の夏を見ても解るように、異常な高温が何週間も続いています。更に、記録的な豪雨は
一か所に留まったり、繰り返したりと、これまでの常識を超えた驚きの被害をもたらしています。
この事は、もう、災害は特殊な物でなく、誰にでも、連続性を持って襲ってくると言う事を示しています。
台風が、幾つも列を成して日本列島を襲う時代は近いのです。
大地震は、各地で頻発する可能性が高く、危険な地域だけ心配する時代ではないのです。

人類が作り出した異常気象は、大自然が私達人間にもたらす数々の恵みを、凶器に変えるようになったのです。
既に、想定外と言う言葉は死語となっているのです。すべては、考える以上に悪い結果をもたらし、予想を
遥かに超える被害が当たり前に起こる時代に成っていると考えなければならないのです。
当然、私達は、誰もが、いつも被災する、そして、文明から寸断されると考えて生きる事が必要です。

水や食料は、いつも常備されていて、たとえ水道や電気が使えなくとも、何か月も生きていける程の準備と
心構えが重要です。要は、無人島に流されてしまた時と同じような不自由な生活が誰にでも起こるのです。
多くの日本人は、数日の我慢で、政府や自衛隊が、助けに来てくれると思っていますが、想定外とは
そういった救助機関が機能しない程の災害が広域で起こる可能性が高まっているのです。

何でも手に入る日本が、無人島の様に厳しい島と成るのです。一億総サバイバルを想定する事が、唯一
その先を考えられる心構えと言えます。戦争と同じく、国や富裕層の方々は、国民を救う事は考えず
自分達が生き残る事しか考えません。つまり、国や援助機関を期待できる時代はもう来ないのです。

家族で、友で、地域で、自分が関係する身近な人間関係を高め、互いに絆を強くして生き残るしかないのです。
そんな大げさな、と思う方は、東日本大震災の前の日本人の心境と同じです。
地震は突然ですが、世界的な異常気象や地球規模の地殻変動は、既に、誰の目にも解る程始まっていて
その被害を受けていないから、のんびりと考えられるのです。

日本の太平洋沿岸の街の人達も、近い将来、大地震に見舞われると思っていても、自分がその被害に遭うとまで
深刻に考えている人はほとんどいないのです。
誰もが、何とかなると思っているのですが、人間の力で何とかなる時代は過ぎてしまっているのです。
大型台風がやって来ても、異常な集中豪雨に見舞われても、誰も何もできないのが現実です。
災害の後、如何に、復旧事業を行うかと言う事しか出来ないのが私達人間の力なのです。

復旧して、元の生活に戻る、と言う希望が有るから、まだ、安心して生活できるのですが、これとて旧来の
穏やかな時代の想定で有り、誰も助けてくれない状態、国も援助の手を差し伸べられない状態が来るとしたら
一体どうやって生きていくのか、そこまで考えないといけない時代と成って来たのです。

消費経済社会として長足の進歩を遂げた日本に於いて、それなりに経済力をつけて、豊かな生活をすれば
楽しい人生を送って行けると言うのは、過去の想定に過ぎません。
地球規模の大災害や気象変化は、そんな人間の思惑を簡単に消し去ってしまう程、とてつもなく強大なのです。

かつて、大航海時代に栄華を誇ったポルトガルが、一度の大地震で国が破壊され、あっと言う間にヨーロッパの
最貧国に成ってしまいました。その影響は何百年も経った現在のポルトガル経済まで影響を与えていて
あの、ヨーロッパの最強国の1つとされた国が、長きに渡って憂き目を負っているのです。

日本が、同じ様な大災害に見舞われないとは言えないのです。しかも、条件は遥かに悪く、私達は、グラグラと
煮えたぎる地獄の窯の上に居る様な生活を送っているのです。いつ大噴火をしてもおかしく無いと言われる活火山を
列島にくまなく配置し、幾枚ものプレートが押し合っている国は世界でも稀です。
私達の住む日本の自然環境が激変している事実をシッカリと受け止めなければ、その時が来た時、生き残れないのです。

私の古い知り合いは、自宅の庭に、原子爆弾が落ちても大丈夫と言うシェルターを、10年以上前に埋めました。
中は6畳ほどで、2週間ほどは安全に暮らせると言いましたが、彼が、自宅にいるのは、週に一度も有りません。
家族も、世界中に散っていて、もしもの時に利用する事は殆ど不可能と言えます。
仕方なしに、カラオケルームに改造しましたが、今では、中に人も入れない様な倉庫に成っています。

地震や大災害は、いつやって来るか解りません。非常に危険な古いビルの中にたまたま居るかもしれません。
裸で風呂の中で寛いでいる時かも知れません。また、病に伏して、ベッドで自由が効かない時に襲ってくるかも
知れません。
多くの場合、最も来てほしくない時に襲って来るのが災害とも言えるのです。
そんな、日本人全てが被災する可能性のある時代と成っていると言う事を心する事が大切と思われます。