電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

表現には背景となる考え方があらわれる

2023年06月22日 06時00分50秒 | Weblog
サクランボが始まる前の話ですが、某地域行事で挨拶を頼まれました。また、別の機会に司会進行を頼まれました。いずれも下原稿(案)をいただきましたので、自分なりに少し変えて、なんとか無事にお役目を果たすことができましたが、その中の表現にいくつか気になるところがありました。

(1) 「させていただく」の乱用
 × 司会進行をさせていただく◯◯です。
 ◯ 司会進行をつとめます◯◯です。
(2) 「賜わる」は丁寧語か?
 ×ご挨拶を賜りますようお願い申し上げます。
 ◯ご挨拶をお願いいたします。

こうした行事では、ていねいな表現にすることは大切な心構えではありますが、「賜わる」というのは身分が上位のものから下位の者へ「下しおく」行為を、身分が下の者から見て表したもののように感じます。例えば挨拶する人が議員さんのような場合でも、本来は地域住民の代表者なのですから、「ご挨拶いただく」で充分にていねいになっているのでは。過剰にへりくだる人は、コイツ、腹に一物持っているな、と警戒されることもありましょう。自然体で、自然な普段着の表現が一番のように思います。

ちなみに、朱を入れて訂正した挨拶や司会進行の原稿は、担当の若い人にそっと返しました。来年度に参考にしてくれるといいのだけれど。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« ロゼッティのホルン協奏曲変... | トップ | そういえば、農具の種類や使... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (美恵子)
2023-06-22 11:33:30
すばらしいです!!
時たま、バカ丁寧な司会の言葉をきくことあります。
女性は、人前で挨拶をする機会がないからと、全然聞いていない方もいましたね。
男性はいつか自分がする立場になるという気持ちがあって、真剣に聞いている姿を目にしてきました。その覚悟が、男女差にでているのかも。
そっと朱を入れたのをお渡しになるなんて素晴らしいお心遣いですね。
返信する
美恵子 さん、 (narkejp)
2023-06-23 06:15:47
コメントありがとうございます。ていねいにすれば良いのだろうと考えるのでしょうか、バカ丁寧な言葉遣いが気になることがありますね。ていねいではあっても自然な言葉遣いというのがあるはず。言葉に意識が現れるということが確かなら、地方自治の精神がこんなところにひょっこり現れるのかも、と思ったりします。若い担当者が、誇りを持ちながら経験を積んでいってほしいと願っています。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事