電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山響第282回定期演奏会の予定が近づく

2020年02月14日 06時02分25秒 | クラシック音楽
山響こと山形交響楽団の第282回定期演奏会が近づきました。今回のプログラムは、

  1. モーツァルト/歌劇「アポロとヒュアキントゥス」K.38 序奏
  2. モーツァルト/協奏交響曲 変ホ長調 K.364 Vn:平澤海里、Vla:山中保人
  3. ブルックナー/ミサ曲 第3番 ヘ短調 WAB 28
     梅津 碧(Sp)、在原 泉(Alt)、鏡 貴之(Ten)、鈴木 集(Bar)
     飯森範親指揮、山形交響楽団、合唱:アマデウス・コア

というものです。2020年2月15日(土)・16日(日)の2日間、山形テルサホールでの公演で、15日は午後7時開演(午後6時15分開場)、16日は午後3時開演(午後2時15分開場)とのことです。




地元紙「山形新聞」には、2月11日付で演奏者の顔ぶれや聴きどころの紹介と、ヴァイオリンの平澤さんのインタビューが記事となっていました。さっそく切り抜いて雑記帳にスクラップしております。

モーツァルトの歌劇「アポロとヒュアキントゥス」K.38 序奏 というのはたぶん初めて聴きます。「ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲」は、大好きな曲ですので、何度聴いても嬉しいものです。ブルックナーのミサ曲第3番は、演奏に1時間近くかかる大曲のようですが、こちらもそう馴染みのある曲ではありません。山響のホームページには、次のように紹介されていました。

敬虔な作曲家の信仰心が凝縮した傑作にして大作 ミサ曲第3番…東北の仲間たちとともに

"原点を見つめる"飯森&山響は、透明感あふれるブルックナー演奏を実現し、重厚長大なブルックナー演奏史に一石を投じてきた。この作曲家の原点である信仰心が生み出した傑作に、飯森は、山形と山響縁の若手を大胆に起用。屈指の実力を誇る山響アマデウスコアと取り上げる。前半は、山響メンバーの独奏によるモーツァルトの慈愛に満ちた曲をお届けする。

おなじみの曲と実演ではなかなか聴けない曲目を組み合わせた、魅力的なプログラムだと思います。楽しみ~(^o^)/

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ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』2020年2月号を読む

2020年02月13日 06時02分51秒 | 手帳文具書斎
偶数月の初日に発行されているステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』の2020年2月号(通巻88号)を入手、遅ればせながら丹念に読みました。今号の特集は、

2020年の注目文具

というもので、パイロットのシナジー・チップ、三菱鉛筆の0.28mmジェットストリーム、ゼブラの巻けるグリップなどの筆記具関連のほか、ランドセルに収納しやすい筆入れのコンパクト化や梱包用テープの柄入り「マステ化」など、最近の動向を取り上げています。このあたりは、巻けるグリップは和弓の握り皮を巻き直すみたいな考え方で多少の興味がありますが、筆記具は中〜太字志向ではあっても極細志向ではありませんし、とくに強く関心を引くものではありませんでした。

特集以外の記事で興味深かったのは外海君子さんの「ニューヨーク文具レポート」で、「大統領とペンの関係」でした。とくに「大統領は、通過した法案を複数のペンを使って署名して成立させ、立役者に贈る」慣例になっているのだそうで、1964年、ジョンソン大統領は72本のペンを使って公民権法案に署名したのだそうです。ケネディ大統領の暗殺の黒幕ではないかと言われたり、ベトナム戦争拡大の当事者だと批判されたり、内政面での業績の割にとかく人気のないジョンソン大統領ではありますが、大統領自身は人種差別を嫌い、公民権運動を支持していたらしい(*1)です。法案成立の立役者として大統領からペンを贈られたとき、キング牧師はどういう心境だったのか、興味深いものがあります。

(*1):リンドン・ジョンソン〜Wikipedia の記述より



今回、文具店に行ったのは、固形糊「消え色PiT」の詰替え用を補充することと、これから確定申告などたくさんの紙をめくらなければいけないとき、あるいはたまに「逆さ爪」が痛いときなどに使う「指サック」を購入するのが目的でした。お目当てのものを購入し、ついでに『Bun2』も入手して、当面の ToDo リストはだいぶ減りました(^o^)/

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サクランボ剪定作業の疑問を一つ解消

2020年02月12日 06時01分18秒 | 週末農業・定年農業
晴れた日の午後、お天気に誘われて裏の果樹園に出て、さくらんぼの剪定作業の続きをやりました。隣接するサクランボ畑に、一級上の先輩が出ていましたので、いくつか疑問点を教えてもらいました。太めの枝をバッサリ剪定すると、新梢がたくさん出てくるけれど、全部切ってよいのか、それとも何本か残したほうが良いのか、残すとすれば、どんな枝を残せば良いのか? 先輩は希少な専業農家ですので、まさにプロ中のプロです。答えは、

新梢は水を吸い上げるポンプの役割を持っているので、全部切ってはいけない。状況にもよるが、枝ぶりの良い勢いのある枝ならば、原則として新梢を1本残してあとは切ってよい。太くて長いものはすぐ成長してコントロールが難しいので、細めで短いものを残すほうがやりやすい。

とのことでした。なるほど! 栄養成長の役割だということだな。

もう一つ、なるほどと納得したことがありました。作業の様子を見ていると、選定して落とした枝はその日のうちに適当な長さに裁断して結束し、それぞれの樹の下にひとまとめにしています。なるほど、そのようにしておけば足場も確保でき、あとでまとめて集めるよりも能率的なのだな。仕事に必要な道具の段取りも、大事な要素なのだなあ。

ちなみに、考えられる段取りは:

  • 脚立
  • 剪定ノコギリ、剪定ハサミ
  • 高枝切りハサミ
  • トップジン・ペースト
  • 枝切りハサミ
  • 結束ヒモ

などを準備すること。思いがけない怪我を防ぐため、軍手ではなく革手袋が望ましい、などでしょうか。

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法事の準備中に祖母への弔辞が出てきた

2020年02月11日 06時02分52秒 | 季節と行事
過日、亡父の13回忌と祖母の27回忌を行いました。もうそんなになるのかと、月日の経つのがやけに早く感じられます。葬儀関係の綴りを調べていたら、平成6年に亡くなった祖母への弔辞というか、孫代表の「お別れのことば」が出てきました。30代で緑内障のために視力を失い全盲となっても、夫(祖父)が妻を支え、夫が倒れてからは自ら介護し、91歳まで生き抜きました。


 謹んでお別れのご挨拶を申し上げます。
 ばんちゃんは、九十一年の生涯の中で、四分の三が、光を閉ざされた生活でしたね。長い間、私たちの想像できないほどの苦悩があったことでしょう。けれども、ちっとも苦しさを聞いたことがありませんでした。そして、最後まで私たちにやさしいばんちゃんでした。
 思い起こせば、ばんちゃんは、私たちに限りない思い出を残してくれました。
 ばんちゃんと二人で、トゲのある木から木の芽をつんで作った「ウコギご飯」。小さな板の間で一生懸命あんこを練って、柏の葉を蒸して、出来上がった柏餅。蒸かし釜に美味しそうに入っていた「ゆべし」や「ちまき」。梅の時期には梅干し作り、白ササギで作る栗きんとん。
 いたずら心で、作っている最中に一つ手を出すと、「出来上がってからあげるから」とたしなめられ、「ばんちゃんの目、見えるの?」と疑うほどでした。
 それぞれの季節の味と、ばんちゃんの思い出が昨日のようによみがえって来ます。
 手仕事の大好きなばんちゃんでしたね。若いときに作った振り袖のひながたを、青い目の人形に着せ替えて遊ぶ私たちを、暖かく見守ってくださいました。
 ひな形は、本物の振り袖を小さくしたもので、中には真綿がうすく入っている、手の込んだものでした。ぼろぼろになるまで遊んでしまったのですが、大事にしておけばよかったなと、しきりに思い出します。
 それから、着古した衣類を小さく切って、平らになるように何枚も重ねて、毎日雑巾を作っていましたね。いる使いや針目に注意して、なるべく真っ直ぐに縫えるように、器用に半分にたたんで確かめながら針を進ませていましたね。糸が足りなくなると、木綿糸をほぐしてつないでしまうのでした。うっかり針から糸が抜けてしまうと、糸を通してあげるのが私達の役目で、学校から帰るのをずっと待っていましたね。
 小学校に、たくさんの雑巾を寄贈していましたので、掃除のときにばんちゃんの雑巾を手にするときはとても嬉しかったことを思い出します。ばんちゃんの雑巾はとても丈夫で、一緒におろした雑巾がボロボロになっても、まだしっかりしていました。雑巾が役立っている話をすると、ばんちゃんはとても喜んでいましたね。
 お前たちが小学生の頃は、あちこち連れて行ってもらって、良かった、とあとになって聞きました。それは、お寺や親戚にお参りするときのことでした。距離にすれば百メートルくらい、ほんの短い道中でしたが、季節の良い時分など、日差しを浴びてとても楽しそうでした。
 孫達が成長してからは、寝たきりの祖父の世話をするのが日課でしたね。体を拭いてあげたり、食事の世話、二人でテレビを観たり、目が見えるけれども動けない祖父の手や足の代わりになり、二人で一人前だと笑いながら、今日は夜中に何回も起きて世話をしたと話していました。
 ばんちゃんが亡くなったとき、祖父の時から数えて二十年間、毎週往診していただいたお医者さんは、「ばんちゃんは、幸せな一生だったな」と言われたそうです。
 ばんちゃんは、たくさんの人に、言葉に表せないほど、とてもお世話になりました。そして、それ以上に、私たちに優しさと生きる勇気を与えてくれました。
 大正琴を上手に弾き、演歌のテープを聞きながら歌っていた明るいばんちゃん。
 孫たちの成長と、訪れる人をとても楽しみにしていたばんちゃん。
 もう会えなくなるのはとても悲しいことですが、天国でおじいちゃんと仲良く暮らしてください。
 どうぞ、安らかにお休みください。


農家の労働力にはならない病妻を、ずっと面倒を見た祖父も偉かったと思います。祖父は、「人にはそれぞれ生きる役割がある。ばんちゃんの役割は、お前たち(孫)に生きる勇気を教えることだ」と言いました。「誰でも全盲の人を24時間ずっと手助けすることはできない。大事なのは一人で動ける環境を作ること、具体的には、床に物を置かないことだ」とも言われました。自ら望んだわけではない障碍を持ってしまった人と接するとき、この言葉が光ります。人は亡くなっても、このような形で心に生き続けるのだなと思います。

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冬らしい景色に除雪機がようやく稼働した

2020年02月10日 06時01分44秒 | 季節と行事
昨日、降った雪で久しぶりに真っ白な雪景色となりました。積雪量は写真のように朝は数cm程度、夕方には10cmは積もったでしょうか。夜中に少し吹雪いたのか、カーポートの中にも雪が吹き込み、車のボンネットが白くなっています。例年ならば、こんな朝はあわてて早起きして除雪機を動かし、通勤の車が出られるようにしなければいけないところですが、今年は異常なほど雪の少ない冬で、しかも日曜日でした。ご近所がみな起きて食事を済ませた頃合いを見計らって、試しに除雪機を動かしてみました。購入してだいぶ経ちますが、機械の調子は大丈夫なようです。思わず「厳冬期なのに今頃こんな積雪でいいのだろうか? これから毎年こんな気候になるのだろうか?」と心配してしまいました。



昨年の全国各地の雨の降り方を見ると、なんだか当地も亜熱帯気候に変わりつつあるのではと感じてしまいます。こんなに雪が少なくて、畑の病害虫の越冬数もだいぶ多いのではなかろうか。「地球温暖化と農業」というテーマで、少し調べてみたいところです。

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益川敏英『科学者は戦争で何をしたか』を読む

2020年02月09日 06時02分26秒 | -ノンフィクション
2015年8月刊の集英社新書で、益川敏英著『科学者は戦争で何をしたか』を読みました。2008年のノーベル物理学賞を受賞した1940年生まれの物理学者が受賞記念講演で「戦争」を語った意味を出発点に、戦争と科学者の関係について語ったものです。本書の構成は次のとおり。

はじめに
第1章 諸刃の科学―「ノーベル賞技術」は世界を破滅させるか?
第2章 戦時中、科学者は何をしたか?
第3章 「選択と集中」に翻弄される現代の科学
第4章 軍事研究の現在―日本でも進む軍学協同
第5章 暴走する政治と「歯止め」の消滅
第6章 「原子力」はあらゆる問題の縮図
第7章 地球上から戦争をなくすには

全体に、年配の老科学者が、半生にわたる反戦活動や労働運動を振り返りながら、昨今の社会や政治の情勢にも触れたもので、ノーベル賞科学者がこんなに象牙の塔の住人ではない、型破りな人だとはまるで思いませんでした(^o^)/

しかしながら、時折はさまれる視点にはさすがに興味深いものがあります。例えば、

  • 巨大化した科学は人々の生活からどんどん遠のいていってしまうのです。(中略)一般市民は科学にどんどん置いていかれるばかりです。(p.76)
  • STAP細胞問題や論文不正問題、あるいは発明技術を巡る特許訴訟など(中略)、こうした事件や訴訟問題も科学政策の「選択と集中」がもたらした政治とカネの問題だと私は見ています。(p.82)
  • むしろ潤沢な資金を調達できている研究機関ほど腐敗や不正を生む。STAP細胞問題も、そうした流れで起きた事件です。(p.93)
  • 民生にも軍事にも使える「デュアルユース」問題(p.98)。例:テレビの電波がビルに反射し、画像がブレるゴースト現象が発生、ある塗装会社に勤める科学者がフェライトを主成分とするセラミック入り塗料を開発し、ゴースト現象を起きにくくしたが、十年後、その塗料は米軍のステルス戦闘機に使われた。(要旨、p.99〜100)
  • 専門的技術や知識を政治家や軍人に渡してしまうと、科学者は用がなくなり、ポイ捨てされる。アメリカで原爆開発の中心となった人は、スパイの疑いを受けて拘束された。朝永振一郎さんが軍に提出した論文は肝心のところがぼかしてあった。(要旨)

などなど。

ただし、益川先生はやはり物理学者です。例えば、原子炉を廃炉にするにしても大きな課題であり、放射性廃棄物をどうするかという問題をクリアするためにも「研究が必要」としています。たしかに、現実的に様々な研究が必要なのは確かでしょうが、「えっ、それだけ?」と、ちょいと不満もあります。

昭和20年代の終わり頃に第五福竜丸事件が起こったとき、原子力政策の方向性が論議されましたが、物理の人は利用できるエネルギーの巨大さに惹かれて「原子力の平和利用ならいい」と了解した人が多かったけれど、化学の人は「放射性廃棄物はどうするんだ」と慎重だったはず。それに対する当時の説明が「これから研究していけばいい」だったと理解しています。政治が学者を札束でひっぱたいて「原子力の平和利用」に見切り発車のゴーサインを出させた時代の説明から、一歩も進んでいないように見えてしまいます。

うーむ。難しい問題です。読後感も、なかなかスッキリとはいきませんでした。

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果樹園の防除説明会で、ノベルティはゼブラのボールペンだった

2020年02月08日 06時01分09秒 | 週末農業・定年農業
過日、果樹生産農家を集めて農協の防除説明会があり、初めて参加して来ました。内容は、防除方法と使用薬剤について、従来のものから変更する点に関する説明が中心です。びっくりしたのは、桃の防除に用いてきた「デラン・フロアブル」が、中国の工場の事故等の影響で供給できなくなりそうだとの見通しでした。代替品が示されたものの、新型肺炎に限らず、中国の事情が当地の果樹農業にも影響が及ぶという事態です。



もう一つ、リンゴの黒星病(*1)の発生にだいぶ危機感を持っていると感じました。高齢農家が倒れ、後継者が不在で放置される園地が目立つようになり、そこから黒星病の原因である糸状菌の胞子が風に乗って飛び、近隣の園地に被害を広げているという状況のようです。技術的な観点からではありましたが、黒星病の越年形態と胞子散布時期の説明はたいへん役に立ちました。ポイントは風通しの良い剪定と、病果・病葉の適切な処理にあり、見つけ次第に焼却するか土中深く埋めること、胞子散布を防ぐように防除の時期を外さないこと、などにあるようです。我が家でも、父の死去後すぐの頃、「ふじ」リンゴの管理ができない時期に近隣農家の要請を受けて樹を切り倒した経験があり、以後少しずつですが「つがる」や「紅将軍」等のリンゴ若木の管理に注意を払って来ました。今年はこうした面にも注意を払って栽培してみようと考えております。

特に、「ICボルドー」などの石灰と銅イオンを含む古典的な「ボルドー」系薬剤(*2)は、空気中の二酸化炭素を吸収して表面に真っ白な炭酸カルシウムの皮膜を作り、その中で銅イオンが抗菌作用を示す(*3)というものですが、再び見直されて複数回の散布が組まれているようです。果実の内部に浸透するようなタイプではないので、水で洗って食べれば大丈夫、学生時代に生化学を専攻した農家としても安心なものです。ただ、不適切な時期に誤用すると、若い葉っぱや芽が損傷を受けやすいなど使い方に注意が必要ですので、リンゴの生育状況をよく観察しながら実施したいと思います。



ところで、初参加の説明会には、ノベルティが配布されました。ゼブラのボールペンでした。インク芯の型番で調べてみたら、

ZEBRA EQ 0.7 JAPAN 1903

とありましたので、どうやら「スラリ」の 0.7mm の名入れ用ホワイト軸らしい。スラリはこれまで使ったことのなく、エマルジョンタイプの製品のようですので、試しに使ってみましょう。まあ、当方には「農作業メモ」ノートにはハードユースに耐える「パワータンク」という定番がありますので、取って代わるのは難しいと思いますが(^o^)/

(*1):黒星病(症状と対策)〜NHK「趣味の園芸」のサイトより
(*2):ボルドー液〜Wikipediaの解説
(*3):台所の流し台の排水口などに銅網を用いるとぬめりが出にくいのは、銅イオンのこの性質を利用したもの。

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廣野卓『卑弥呼は何を食べていたか』を読む

2020年02月07日 06時01分00秒 | -ノンフィクション
2012年12月に刊行された新潮新書で、廣野卓(ひろの・たかし)著『卑弥呼は何を食べていたか』を読みました。表題のほか、大和王朝の宮廷料理、遣魏使の弁当など、古代の食卓について考察した本です。権力をめぐる騙し合いや殺し合いなどではなく、人々が何を食べていたかに関する内容は、非常に興味深いものがあります。

本書の内容は次のとおりです。

第1章 『魏志倭人伝』に卑弥呼の食を探る
第2章 オンザロックを味わった仁徳大王
第3章 チーズづくりを命じた文武天皇
第4章 グルメな長屋王
第5章 古代食と現代食

タイトルの「卑弥呼は何を食べていたか」については、『魏志倭人伝』の記述から、米とアワなど雑穀類、クリ、シイ、トチなど堅果類、サトイモ、蔬菜、魚貝類などを挙げています。むしろ、遣魏使の使節が食べた魏の宮廷料理のほうがずっと詳しいです。このあたり、タイトルが内容にそぐわない面があり、「古代の食生活を探る」みたいな題のほうが当たっているようです。

とはいいながら、調理技術的に、先土器時代の「焼く・炙る」から、土器の発明により「煮る・煮詰める・蒸す」ことが可能になり、さらに金属器が使われるようになって、「油で揚げる、炒める」ことが普及していくというあたりは、世界史的な視点が面白いです。

また、古代から現代まで、食生活は少しずつ変わってきていますが、共通点も多くあります。食べている魚種はタイを好むなど現代とほぼ同じようなものですし、鎌倉時代の説話集『古事談』に

イワシは体に良いけれど、宮家や貴族の食には供しない。サバは卑しい食べ物だけれど天皇にお出しする。後三条天皇(第71代・平安時代末期)は、サバの頭にコショウを塗り、炙って常に口にされていた(p.146)

との記述が残るのだそうで、なんだか共感していまいます(^o^)/

また、時代によって米に依存する度合いがかなり違ってきており、昔のほうがアワ、ヒエ、クルミ、トチなどの雑穀類・堅果類が幅広く食べられており、脚気予防などの観点からは栄養的に偏らずむしろ好ましいようです。しかし、食料の安定的な供給確保の面では現代のほうがだいぶ安心感があるみたい。

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最近作ったパスタ〜安定した味になってきた

2020年02月06日 06時03分36秒 | 料理住居衣服
お昼にときどきパスタを作ります。妻に「またパスタ?」と言われても、最近は柳に風と受け流す術を身につけました。いちいちめげてばかりはいられません(^o^)/

まずは、残ったブロッコリーの茎とウィンナソーセージのパスタに、朝の残りの「塩もみ白菜と豚肉の炒めもの」を載せたパスタ。これ、けっこう美味しかった。



続いて、別の日に作った「しめじとブロッコリーとリンゴと豚肉のピリ辛パスタ」。これも、小ぶりの「ふじ」リンゴを使って、最近ではいちばん美味しかった。



要するにペペロンチーノの作り方を応用し、オリーブオイルとゆで汁を充分に乳化することに注意すれば、ありあわせの材料を使ってバリエーションはいくらでもできるということですね。もう一つ、ピリ辛のパスタでリンゴの甘酸っぱさが合うということは他の料理でも当てはまり、辛さと甘酸っぱさは引き立て合う、ということではなかろうか。そういうことを覚えただけでも、日常生活が楽しくなります。

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雪の朝、NHK-FMでドビュッシーの弦楽四重奏曲等を聴く

2020年02月05日 06時02分16秒 | クラシック音楽
久しぶりに雪が降った昨日の朝、書斎でパソコンに向かい、「らじる★らじる」でNHK-FMの「クラシック・カフェ」を聴きました。たまたま流れたのがドビュッシーの弦楽四重奏曲で、エマーソン弦楽四重奏団の演奏でした。いつもだと、蒸し暑い季節に聴くことが多いドビュッシーの音楽を、真冬の朝にゆっくりと聴くのは珍しい経験です。続いて流れたのが、フランクの交響曲ニ短調。こちらは、セミョン・ビシュコフ指揮のパリ管弦楽団の演奏です。こちらも、自分から積極的に選択して聴くことは珍しい種類の曲ですので、ほんとに久しぶりです。

FM放送、とくに NHK-FM というのは、クラシック音楽ファンにとってはありがたい存在です。温風ヒーターの前を占拠しているアホ猫が嫌がって部屋を出ていきますので、あまり音量を上げることはできませんが、耳に快い適度な音量で、朝のゆっくりした時間を楽しみました。うん、通勤の音楽に代わる楽しみかもしれません。

週の後半は、どうやら全国的に真冬らしいお天気になる模様です。通勤の皆様の無事をお祈りいたします。

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メインPCをUbuntuLinux18.04に更新する

2020年02月04日 06時01分16秒 | コンピュータ
2016年に購入して以来、毎日使っているパソコン、hp の Pavilion 550-240jp/CT のキーボードを Happy Hacking Keyboard Lite2 にしたのを機会に、データを USB のポータブル HDD に一気にバックアップしました。これで、しばらくは安心です。この際ですから、OS も更新しようと考え、ずっと稼働している Ubuntu Linux 16.04 LTS から 18.04 LTS 日本語 Remix に入れ替えました。



新規インストールにおよそ1時間弱、アップデートにも約1時間ほど費やし、合計しておよそ2時間弱で終了しました。続いて USB 接続のポータブル HDD から、バックアップしていたデータを書き戻します。面倒なようですが、古い問題点を引き継がないためには、新規インストールのほうがまだ安心です。多くのデータは、単純にそのままコピーしたものですが、いくつかはツールの機能でバックアップしたものもあり、順序立てて注意深く環境設定していきます。例えばブラウザのブックマーク等は、そっくり引き継げますので、無駄がありません。やはりこうした作業は、まとまった時間が取れる冬場に限ります。



ところで、Ubuntu 16.04 から 18.04 に変わったことにより、デスクトップ環境も Unity から Gnome3 に変更になりました。以前、Ubunru 10.04 までは Gnome2 で運用していましたが、私自身は一時 12.04 を経て 16.04 まで Unity を使いましたので、単独でスクリーンショットを保存できるかなど、いくつか違いがあることは承知していますが、Gnome も 2 でなく 3 になった関係で、いくつか変更点がありました。

  1. Unity では、電源オフの中にサスペンドするという選択肢がありましたが、Gnome ではサスペンドのボタンは用意されていません。これは、サイドに端末(Terminal)のアイコンを表示させておき、終了時に

    systemctl suspend

    とコマンド一発でサスペンドすることができます。再度、電源を入れるときは、何かキーを、例えば Shift キーをタイプします。
  2. かな漢字変換 Mozc の ON/OFF が、CTRL+Space ではできなくなり、「半角/全角」キーは「HH」キーに割り当てられているようです。
  3. アプリケーションの選択は左下のボタンで一斉にアイコンが表示されますし、検索は左上の「Activity」をクリックして検索語を入力することで、目的のアプリケーションを探し出して起動することができます。

今のところ、こんなところでしょうか。デスクトップ環境の変更というのは、操作性に大きく影響しますが、もともと慣れの要素が大きく、キーボードと同じように、毎日使っているうちにやがて慣れてしまうものでしょう(^o^)/

いずれにしろ、Ubuntu Linux の安定感は抜群です。ウィルス等もあまり神経質に心配しなくてよいので、助かります。

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サクランボ果樹園の剪定作業の進行状況は

2020年02月03日 06時05分01秒 | 週末農業・定年農業
我が家のサクランボを中心とする果樹園は二箇所ありますが、今年は自宅から少し離れた園地のほうをプロにお願いし、老木が多い自宅裏の園地を自分で剪定してみることにしました。これまで、少しずつ剪定をしていますが、なにせお天気が悪く寒い上に、積雪がないためどろんこで足場が悪く、軟弱農業後継者にはなかなか難儀な作業です。

  • 全体に、主幹の伸びる方向に広がるように枝を整える
  • 混み合っている枝は、日当たり良く風通しよく、空間を開けて切る
  • 天頂を目指して伸びた枝は、脇に出た枝を残して切る
  • 充実した花芽のついた枝を残し、貧弱な枝や徒長枝は切る

などを心がけていますが、どの枝を切りどの枝を残すかの判断を迫られるわけですから、なかなか判断が難しい。あまり切りすぎれば枯れますし、枝を切らなければ実がつきすぎて大粒のサクランボになりませんし、翌年以降に花芽がつくはずの枝の世代交代が起こりません。素人剪定は、考え考えしながらの作業になりますので、時間ばかりかかって、なんともはかどりません(^o^)/



それでも、エイヤッと決断して、ある程度の太さがある枝は剪定ノコギリで切り落とし、細い枝は剪定ハサミで始末すると、なんとか少しずつ格好がついてきます。



少しずつ、一本ずつ、剪定作業をすすめます。たまにノコギリをぶつけて指を切ったりすることもあります。先日は「名誉の負傷」で出血しました。痛かった〜(T-T)
しかし、亡父はこの作業をぜんぶ一人でやっていたんだなあ。……しみじみとかみしめております。

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歯科通院でY字形のデンタルフロスを知り、奥歯の炎症対策とする

2020年02月02日 06時02分55秒 | 健康
10月に右奥歯にかぶせた詰物が取れてしまい、行きつけの歯科医院で治療してもらいました。その時のアフターケアの意味もあり、先日また診てもらいました。どうも右奥歯のすき間に食物カスが詰まりやすく、歯間ブラシでも取りにくくて困っていると話したところ、歯医者さんからY字形のデンタルフロスを教えてもらいました。



普通のデンタルフロスの存在は承知しておりましたが、たしかにこれだと奥歯のすき間に入り込んで掃除をするのに便利そうです。食後、歯を磨くときに右奥歯をこれできれいにしておけば、炎症対策に有効な手段になりそうです。さっそくドラッグストアで探して購入してきました。「8020運動」の「80歳で20本」達成が目標です(^o^)/

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HappyHacking Kyeboard Lite2 が届き、使い始める

2020年02月01日 06時00分11秒 | コンピュータ
過日、某密林に注文していた PFU の Happy Hacking Keyboard Lite2(*1) が届きました。思った以上にコンパクトで、しかもずしりと重いです。今までのペナペナなキーボードと比べると、まるで違います。




ぜんぶで68のキーからなり、ステップ・スカルプチャタイプのキートップで、打鍵の感触も昔の FMR キーボードのようなしっかりしたものです。US キーボードではなく日本語キーボードですが、かな刻印がないかわりにファンクションキーも省略されており、漢字キーや PrtSc、DEL などの専用キーもありません。また、Professional にはない矢印移動キーがあり、誤打しないように一段低いキートップとなっていて、実用的です。



備忘のために、Linux 上で気づいた点をまとめておきましょう。

  • かな漢字変換(Mozc)のON/OFFは、CTRL+Spaceでできる。(注:Ubuntu18.04にしたらできなくなった。半角/全角キーは左ALTキーの右隣りのHHキーに割り当てられているようだ。)
  • 文字種の変換でファンクションキーを使うには、Fnキーを押しながら数字キーに割り当てられたファンクションキーを使う。
  • ScreenShotを取るときは、Fnキーを押しながらIキーに割り当てられたPScキーを使う。
  • CTRLキーの位置が異なるが、Windows標準のCTRL+C/X/Vはそのまま使える。
  • CAPSキーもTABキーに割り当てられ、Fnキーと併用することで、英大文字になる。
  • 独立したDELキーがなくても Shift+→キーで範囲指定し BS キーで削除できるので、実用上は問題なし。

こんなところでしょうか。しばらくは、とっさにFnキーを使えず、少々もたついたりするかもしれませんが、しだいに慣れていくでしょう。むしろ、ふだんフルキーボードを使っている人よりノートパソコンを愛用している人のほうが、操作に慣れやすいかもしれません。何よりも、打鍵感覚とともにデスク上のスペース占有面積が最小なことがありがたいです。いい買い物でした。お値段は税込5,800円で、送料・手数料550円を加え、計6,350円也。



ただし、現在の製品にはキーボードにUSB端子が2つ付いていますが、残念ながら USB1.1 しか対応せず、現状では実用性には疑問があります。もしかすると、在庫製品を売り切ったところで新製品が発表されるのかもしれません。良質のキーボードは絶滅危惧種と言われるだけに、継続してほしいものです。



箱に描かれたペンギンは、Linux の生みの親である Linus Torvalds 氏のマスコットみたいだけど、何か関係があるのかな? Linux Ready という意味かな?

(*1): PFU Happy Hacking Keyboard Lite2 仕様ページ

【追記】
Ubuntu 18.04 にしたら、Fn+TAB で かな漢字変換が起動してしまい、Caps Lock ができなくなった。Caps Lock にするには Fn+Shift+TAB でできる。

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