電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

果樹園の防除説明会で、ノベルティはゼブラのボールペンだった

2020年02月08日 06時01分09秒 | 週末農業・定年農業
過日、果樹生産農家を集めて農協の防除説明会があり、初めて参加して来ました。内容は、防除方法と使用薬剤について、従来のものから変更する点に関する説明が中心です。びっくりしたのは、桃の防除に用いてきた「デラン・フロアブル」が、中国の工場の事故等の影響で供給できなくなりそうだとの見通しでした。代替品が示されたものの、新型肺炎に限らず、中国の事情が当地の果樹農業にも影響が及ぶという事態です。



もう一つ、リンゴの黒星病(*1)の発生にだいぶ危機感を持っていると感じました。高齢農家が倒れ、後継者が不在で放置される園地が目立つようになり、そこから黒星病の原因である糸状菌の胞子が風に乗って飛び、近隣の園地に被害を広げているという状況のようです。技術的な観点からではありましたが、黒星病の越年形態と胞子散布時期の説明はたいへん役に立ちました。ポイントは風通しの良い剪定と、病果・病葉の適切な処理にあり、見つけ次第に焼却するか土中深く埋めること、胞子散布を防ぐように防除の時期を外さないこと、などにあるようです。我が家でも、父の死去後すぐの頃、「ふじ」リンゴの管理ができない時期に近隣農家の要請を受けて樹を切り倒した経験があり、以後少しずつですが「つがる」や「紅将軍」等のリンゴ若木の管理に注意を払って来ました。今年はこうした面にも注意を払って栽培してみようと考えております。

特に、「ICボルドー」などの石灰と銅イオンを含む古典的な「ボルドー」系薬剤(*2)は、空気中の二酸化炭素を吸収して表面に真っ白な炭酸カルシウムの皮膜を作り、その中で銅イオンが抗菌作用を示す(*3)というものですが、再び見直されて複数回の散布が組まれているようです。果実の内部に浸透するようなタイプではないので、水で洗って食べれば大丈夫、学生時代に生化学を専攻した農家としても安心なものです。ただ、不適切な時期に誤用すると、若い葉っぱや芽が損傷を受けやすいなど使い方に注意が必要ですので、リンゴの生育状況をよく観察しながら実施したいと思います。



ところで、初参加の説明会には、ノベルティが配布されました。ゼブラのボールペンでした。インク芯の型番で調べてみたら、

ZEBRA EQ 0.7 JAPAN 1903

とありましたので、どうやら「スラリ」の 0.7mm の名入れ用ホワイト軸らしい。スラリはこれまで使ったことのなく、エマルジョンタイプの製品のようですので、試しに使ってみましょう。まあ、当方には「農作業メモ」ノートにはハードユースに耐える「パワータンク」という定番がありますので、取って代わるのは難しいと思いますが(^o^)/

(*1):黒星病(症状と対策)〜NHK「趣味の園芸」のサイトより
(*2):ボルドー液〜Wikipediaの解説
(*3):台所の流し台の排水口などに銅網を用いるとぬめりが出にくいのは、銅イオンのこの性質を利用したもの。

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