電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

春を待ちながら~短歌二首

2015年02月20日 06時02分28秒 | 季節と行事
ふだんは無粋な理系の石頭も、長く雪に閉ざされた暮らしを余儀なくされると、春を待つ心に風流心が芽生えるのでしょうか、なぜか春の短歌を思い出します。これまでも、春を待つ和歌を記事にしております(*1)が、今年もまた、不意に春の短歌を二つ、思い出しました。

君がため 春の野に出でて 若菜摘む
     わが衣手に 雪は降りつつ


百人一首より、光孝天皇の歌です。
意味は、「あなたに差し上げようと思って、春の野に出て若菜を摘んでいるこの私の袖に、まだ雪がちらちらと降りかかっているのですよ。」ということらしい。うーむ、石頭の珍解釈はここで高々と飛翔します(^o^)/

この若菜は、きっと料理に使うのだろう。おひたしかな。それともサラダだろうか。天ぷらでもいいな。雪が降っている中を摘んできた若菜を食べて、君と仲良くしたいものだ(^o^)/

もう一つ、こんどは万葉集から。

石走る 垂水の上の 早蕨の
    萌え出づる春と なりにけるかも


この珍解釈も、「石の上を流れる雪解け水の上に、早蕨(さわらび)が萌え出てきた。いよいよ春になったなあ。あく抜き(*2)をした蕨の漬け物が食べたいなあ。」くらいでしょうか。いずれも食べ物がらみであるところが、どうも色気より食い気の部類ですが(^o^)/



いずれにしろ、早く春が来て欲しい。もう花の便りが聞かれるようになった暖かい地域の皆様、春の女神さんがそのへんでうろうろしているのを見かけましたら、ぜひ東北地方にも早く出向くように、よ~く言い聞かせてやってください!

(*1):冬ながら空より花の散りくるは~「電網郊外散歩道」2009年1月
(*2):ワラビとタケノコの季節~「電網郊外散歩道」2007年5月
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