電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

和田竜『のぼうの城(下)』を読む

2012年06月07日 06時03分57秒 | 読書
小学館文庫で、和田竜著『のぼうの城』の下巻を読みました。忍城攻防戦の序盤は、守る側の意外な善戦が小気味よく描かれます。甲斐姫のエピソードが少しばかり騒々しく華を添え、有効射程距離を読みきった騎馬鉄砲の連射作戦や、付け入りを逆手に取ったおとり作戦、あるいは忍川の流れをせき止めた濁流作戦など、いずれもお見事です。泥田に囲まれた忍城は、たしかに攻めにくそうです。

そこで、石田三成は、師匠の秀吉の真似をして、七里におよぶ堤防を築き、水攻めを敢行します。城も田んぼも水面下に沈み、本丸に逃れた成田勢と領民たちは気落ちして眺めるしかありません。ところが、「のぼう様」長親は、水攻めを破る方法はある、と言います。ここからは見せ場ですので詳細は控えますが、なるほど、そう来ましたか、という展開でありました。

映画の方は、今秋に東宝系で公開される予定だとか。面白そうです。観てみたいものです。なんとなく、若手タレントのタメ口が満載の戦国エンターテインメントであろうとは予想がつくのですが、映像としてどんなふうに見せるのかに興味があります。

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