電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

テレマン「パリ四重奏曲」を聴く

2012年06月02日 06時01分08秒 | -室内楽
生前には、大バッハの知名度はテレマンのそれに遠く及ばないものであったそうです。どんなふうにバッハ復興が行われたかも興味深いものではありますが、それにしてもテレマンの音楽がどんなものだったのか、当方はあまりよく知りません。このブログでも、「無伴奏フルートのための12の幻想曲」(*1)や、「ヴィオラ協奏曲」(*2)などについて、書いたことがある程度です。

そんなわけで、季節も良し、テレマンの「パリ四重奏曲」全六曲を、通勤の音楽として繰り返し聴いておりました。演奏は、有田正広のフラウト・トラヴェルソとトウキョウ・バロック・トリオ、すなわち寺神門亮(バロック・ヴァイオリン)、上村かおり(ヴィオラ・ダ・ガンバ)、クリストフ・ルセ(チェンバロ)の四人。CDは DENON COCO-70521-2 という2枚組で、1992年8月にパリのコンセルヴァトワールで収録されたデジタル録音です。

Disc-1
(1) 四重奏曲第1番 ニ長調
(2) 四重奏曲第2番 イ短調
(3) 四重奏曲第3番 ト長調
Disc-2
(4) 四重奏曲第4番 ロ短調
(5) 四重奏曲第5番 イ長調
(6) 四重奏曲第6番 ホ短調

全六曲は、長調の曲と短調の曲とが同数含まれます。第3番が7曲からなるほかはみな6曲ずつで構成されており、組曲のスタイルをとっています。どれも数分程度の曲の集まりですが、いずれも魅力的な音楽、演奏で、ほぼ一週間の通勤の間、楽しく聴き続けることができました。



古楽器による、いわゆるピリオド・スタイルの演奏は、たいそう生き生きと活気があります。一昔前の重厚な演奏スタイルでは、たぶんこういう音楽は生き生きとは聞こえないのだろうと思います。ハンブルクに居を構えたテレマンは、生涯にただ一度、外国旅行をしたのだそうで、それがパリ旅行だったのだそうな。この曲集は、予約者名簿にJ.S.バッハの名前もあり、パリではたいへん人気があったとのことで、なるほどと納得です。

(*1):テレマン「無伴奏フルートのための12の幻想曲」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年8月
(*2):テレマン「ヴィオラ協奏曲」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年9月
コメント (2)