電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

懐かしのCDカタログ~DENONクレスト1000シリーズ(その2)

2010年12月26日 06時04分15秒 | クラシック音楽
DENONのクレスト1000シリーズの第4回は、2004年の12月24日に全50点が発売され、全部で240点になりました。例によって、レギュラープライス盤の時代に入手しそこねていたものを中心に、ごっそりとまとめて大人買いをして、ずいぶん楽しませてもらいました。



この頃のカタログは、ページ数が20頁もあり、モノクロながらジャケット写真もかなり鮮明で、個々のCDの識別が容易です。第4回発売のものでは、インバル指揮ウィーン響によるショスタコーヴィチの交響曲第4番と第7番、バシュメットのヴィオラでベルリオーズの「イタリアのハロルド」、フルネ指揮オランダ放送フィルでイベールの「寄港地」他、プラハ室内合奏団でドヴォルザークの「弦楽セレナード」などをよく聴きました。ロベルト・シュトルツ指揮ベルリン響というコンビで「忘れな草、別れのワルツ~世界のワルツ」というCDも、シルヴィア・ゲスティのソプラノの魅力もあり、大いに楽しみました。他には、ヴィヴァルディの協奏曲集「和声と創意への試み」Op.8などを通じて、イタリア合奏団の魅力を知ったのもこの頃かと思います。

室内楽では、ハイドンの太陽四重奏曲集、モーツァルトのオーボエ四重奏曲、カルミナQによるブラームスの弦楽四重奏曲、パネンカとスメタナQによるドヴォルザークとシューマンのピアノ五重奏曲、シュタルケルとルージイッチコヴァによるJ.S.バッハ「チェロとチェンバロのためのソナタ全集」、器楽ではゲルバーのベートーヴェン「ピアノソナタNo.17,21,26」やベロフのドビュッシー、グリモーのラフマニノフなどのほか、イリーナ・メジューエワのピアノで「おとぎ話・忘れられた調べ~メトネル作品集」というのも収穫でした。

第5回は、その1年後、2005年12月21日に、全50タイトルが発売され、全部で290点となりました。このあたりから、本シリーズを置いているCDショップが減少し始め、入手が難しくなってしまいました。実際に、出先で見つけたカルミナQによるハイドン「エルデーディ四重奏曲集」やメジューエワの「忘れられた調べ~メトネル作品集2」など、ごく限られたものしか入手できておりません。



そして第6回~第9回発売分についてはカタログもなく、購入もきわめて少なくなっています。当方、手元にパンフレットがあり、懐が少々あたたかい時にまとめて注文したり、何かの機会に大型店に立ち寄り、目を付けていたタイトルをピックアップして購入する、といったスタイルが中心でしたので、購入の印を付けられるカタログが手元になく、店頭で現物を確認することもできないという状態では、結果としてシリーズから離れてしまうのもやむを得ません。CD不況を嘆く前に、地方のCDショップにもクラシックのパンフレットを丹念に置いて回るような、地道な需要の掘り起こしの努力が必要なのではないかと思います。
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