電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

飯森+山響の新しいCD~ブルックナーの交響曲第4番

2008年02月09日 07時23分49秒 | -オーケストラ
先日の山形交響楽団の定期演奏会で、ちょうど1年前になる、昨年の1月に演奏されたブルックナーのCDを購入して来ました。第4番変ホ長調「ロマンティック」です。すみだトリフォニー・ホールでの地方都市オーケストラ・フェスティヴァルでメインの曲目として予定されています。

大編成のオーケストラで演奏されることが多いブルックナーですが、第4番はもともとニ管編成の曲です。ですから、山形交響楽団のような総勢55人程度の規模のオーケストラで演奏することは可能です。むしろ、どんな音楽的な表現ができているかが問題。当日の演奏会の感想はリンク先(*1)をごらんいただくとして、CDになって客観的に聴く山響のブルックナー演奏の特徴は?

(1) 音の純度、透明度の高さ。音楽監督の飯森範親さんのリーダーシップのもとで開始した、モーツァルトの交響曲全曲演奏を目指すピリオド奏法。ヴィヴラートで音程をごまかすことができませんので、弦楽器の音程が一段と正確になっています。そのことによる音の純度、透明度の高さが実現されていると感じます。
(2) 内声部を担当する弦楽セクションと、華々しい金管部隊の健闘。ブルックナーらしさがよく出ていると思います。
(3) 第3楽章、第4楽章になると、音楽の表現がいちだんと深くなるように思います。後半の盛り上がりは音楽的なもので、物理的な音量によるものではないのだな、と感じました。

SACD および SACD 5ch Sorround とのハイブリッドCD、録音も良好、型番は Octavia OVCX-00037 です。リーフレットの表紙は、蔵王連峰の夜明けをバックに、ブルックナーと飯森さんが浮き上がるようにデザインされています。なかなかきれいです。解説は東条碩夫さん。昔の貧乏性が抜けず(^_^;)、いつもは廉価盤CDを中心に聴いておりますが、実演を聴いた若い演奏家や、地元オーケストラ等の場合は、幾分かでも財政的支援になるよう、レギュラー・プライス盤を積極的に購入しております。
なお、このCDは、HMV や Amazon 等でも入手できる(*2)ようです。

■飯森範親指揮山形交響楽団
I=18'41" II=15'29" III=10'50" IV=21'50" total=66'50"

(*1):山響第178回定期演奏会を聞く~ベートーヴェンとブルックナーの4番
(*2):HMVの同CD紹介ページ

さて、今晩は山形交響楽団のモーツァルト交響曲全曲演奏プロジェクトの第3回目。このプログラムは注目が大きいようで、仙台市や関東圏などからもかなり来県しているのだとか。すでにチケットはソールドアウトとなっておりますが、当方は定期会員の権利を生かし、すでに入手済です。本日の曲目は、

(1) 交響曲第5番変ロ長調 K.22
(2) 交響曲第26番変ホ長調 K.184
(3) ファゴット協奏曲変ロ長調 K.191
(4) 交響曲第29番イ長調 K.201

となっております。高橋あけみさんのファゴット・ソロと、イ長調の美しい交響曲第29番が楽しみです。
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