電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

「のだめカンタービレ」を観る(2)

2008年01月06日 11時55分07秒 | 映画TVドラマ
昨晩も、「のだめカンタービレ」新春スペシャル第2夜を堪能しました。今回は、「のだめ」こと野田恵さんのピアニストとしての悩みと成長がテーマです。

オークレール先生という人は、素晴らしい先生ですね。「あなたは何のためにピアノを弾くのか」という質問は、ライバルに技巧で追い付こうとするのだめにとって、本質的で焦眉の課題だった。ピアニストは、自分の持ち味で、自分が発見した音楽を通じて、聴く人に喜びを与えることが嬉しいものなのだ、ということを体得させるのです。なんとかいうモーツァルト・マニアの貴族の館で、ヴォルフガングの扮装で登場し、最初の一音をポーンと鳴らして、音が会場に広がり、消えて行く様子に耳を澄ます場面。あれは、とても良かった。あとは一気呵成に、演技というよりも音楽の力で聴かせます。モーツァルトもラヴェルも、素晴らしかった。

オーボエの黒木くんは、最初は暗いと敬遠されていますが、モーツァルトのオーボエ四重奏曲を演奏するところは、良かった。留学生の悩みは、経済的な問題だけでなく言葉や習慣、文化的なものなど、たくさんあるのでしょうが、音楽で理解し合えるものだ、ということか。ややロマン的ですが、本質的にはそういうことなのでしょう。

それにしても、上野樹里さんの「のだめ」の演技、あれはほとんど地ですね。どよ~んと落ち込むところや、生真面目な千秋くんにまとわりつく場面など、笑えるけれど、心情がよく出ていると感じます。

その千秋くんのヨーロッパ・デビュー演奏会で振ったブラームスの交響曲1番。若い役者さんが、たった一人で、100人以上のプロフェッショナルな演奏家が束になってつくり出す音楽に負けないように奮闘する姿でした。表情や肩に力が入るのも、無理のないことかもしれません。正直、たいへんだなぁと同情してしまいました。

ところで、竹中直人さんのシュトレーゼマンは、役者であり過ぎて、音楽家という感じがしません。もともとの原作がそうなのでしょうが。あとは、CGを多用する、その自然さに驚きました。昔の「メリー・ポピンズ」の時代の、特撮場面との合成の不自然さがまったくないのですね。デジタル技術の消化という面から、テレビはここまで来ているのかと、ちょいと見直しました。

二晩続きでおおいに楽しんだおかげで、連日の朝寝坊です。早朝更新はできませんでした。娘がマンガの原作を持っているそうで、こんど貸してくれることになっています。やれやれ、以前、韓国ドラマにはまりかけた時の二の舞にならなければ良いのですが(^o^)/
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