電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

プレヴィンとN響のモーツァルト「ピアノ協奏曲第24番」

2007年10月13日 07時04分37秒 | -協奏曲
今週は出張続きで、だいぶくたびれましたが、ようやく週末になりました。先の日曜夜の「N響アワー」を録画で楽しみました。今回は、アンドレ・プレヴィンがピアノと指揮の二役をした、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番ハ短調です。

プレヴィンはだいぶ高齢のはず。生年は1929年らしいとのことですから、もうすぐ80歳といったところでしょうか。実年齢はわが家の老父よりもだいぶ若いはずなのですが、特に今回は、見た目に衰えを感じました。ステージを歩く様子も、なんだかあぶなっかしい。女優のミア・ファーロウと結婚した頃の意気軒昂とした感じは、もうありません。長年の喫煙習慣の影響か、それとも何か病気をした後のような感じです。

ビデオとはこわいものです。音楽は、素人にも16分音符をときどき取りこぼすところがわかりましたが、この年齢での弾き振りですからね。コロコロという運動機能的な音の楽しさはやや後退し、そのかわりに、ゆっくりとした楽章では素晴らしいものがありました。

若いピアニストが演奏する溌刺としたモーツァルト。高齢のピアニストが演奏する、一音一音を慈しむようなモーツァルト。円熟したプロの演奏家にとっても、モーツァルトの音楽の完璧な演奏というのは至難なのだとか。でも、モーツァルトの音楽はこんなにすてきなんですよ、と演奏家が懸命に表現していることは、素人音楽愛好家にも十分に伝わりました。
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