電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」を聞く

2006年04月09日 19時54分48秒 | -オーケストラ
夕べ遅くコーヒーを飲んだら、なんだか目が冴えて眠れず、寝不足気味です。おかげで今朝の道路清掃ボランティアも、早朝にもかかわらずしっかりと間に合いました。
今日は、道路にかかる樹木の枝を切り取る作業が中心でした。路地にかぶさる杉の木の上部から落雪があって危険なため、持ち主の了解を得て思い切って伐採します。軟弱な私などとは違い、田舎のご近所パワーはすごい。七十翁がするすると木に登り、ロープ一本を命綱に、チェーンソーでたちまちきれいに枝を払ってしまいました。それだけで終わらず、幹に切れ込みを入れたかと思うと、「そ~れ」という掛け声とともに丸坊主になった幹の先端にかけたロープを引き、あっという間に倒してしまいました。本来ならば、持ち主の家の人が往生する後片付けも、ご近所パワーでまもなく終了。見事です。

朝食後もすっかり気分が高揚していて、アンプのボリュームを上げてドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」を聞きました。ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団による演奏、ついでヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。

こういう超有名曲になると、逆にめったに聞かなくなる傾向があります。実際、最近では手に取る機会もそう多くありません。クラシック音楽を聞き始めた頃には、本当に大好きで、何度も何度も飽きずに聞いていたものでした。ナマの演奏会でも、山田一男指揮の日本フィルハーモニー交響楽団、村川千秋指揮山形交響楽団など、何度か力の入った演奏を聞いています。でも、今日はまた格別です。春とはいえ風は冷たく野外の作業はこたえますが、大きな樹木を切り倒し、近所の人と共同で運搬する労働のあとに聞くドヴォルザークは、なんだかやけに爽快です。

セルの演奏、リズムがとても正確で、感傷的な要素はみじんもありませんが、それでいて表情に人なつこいところもあり、第二楽章でぐっとテンポを落とすところなど、決して機能性重視で速いばかりの演奏・表現ではありません。第四楽章のスポーツ的な高揚感・速度感は、いかにもモダニスト・セルらしい演奏です。
ノイマン盤(CD)では、第一楽章の冒頭のあたりで派手に金管を鳴らしますが、全体にはゆるやかで柔らかなフレージングで、穏やかな「新世界」の印象。第二楽章では、思わず一緒に歌ってしまいます。なお、これは余談ですが、ノイマン盤は DENON の My Classic Gallery の中の1枚で、カバーがちょうど今朝切り倒した杉の木のような写真です(^_^)/

■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(CD:CBS MYK-37763, LP:CBS-SONY SONC-10142)
I=8'38" II=12'07" III=7'51" IV=10'54" total=39'30"
■ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(DENON GES-9220)
I=9'34" II=11'31" III=8'14" IV=11'19" total=40'39"

参考までに、LP時代からやはり好んで聞いているクーベリックの演奏データも併記しておきます。こちらも高揚感のあるいい演奏です。
■ラファエル・クーベリック指揮ベルリン・フィルハーモニー(独グラモフォン 463 164-2)
I=9'24" II=13'00" III=8'05" IV=11'48" total=42'17"
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