電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

今日は花の金曜日~メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲を聞く

2006年03月10日 21時38分28秒 | -室内楽
今日は全国的に花の金曜日なのだが、連日の早朝出勤と仕事の緊張の連続で、もう眠い眠い。帰宅すると、疲れてぐったりだった。娘の嫁ぎ先の両親から贈られた甲州ワインをいただき、ようやくゆっくりする。今日は、再びメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品49を聞いた。作曲年代は1838年というから、円熟期に入った30歳のときの作品(*)だ。

第1楽章、冒頭のチェロ(ヨゼフ・フッフロ)の出だしにまいってしまった。対旋律を奏でるヨゼフ・スークのヴァイオリンも素敵だが、ピアノのヤン・パネンカの卓抜さに驚かされる。三つの楽器が存分に活躍する、モルト・アレグロ・エド・アジタート。
第2楽章、アンダンテ・コン・モート・トランクィーロ。情緒ゆたかな緩徐楽章、夢見るような気分がいかにもメンデルスゾーンらしい。
第3楽章、スケルツォ、レッジェーロ・エ・ヴィヴァーチェ。ピアノが主導する弾むようなリズムがヴァイオリンとチェロにも受け継がれ、速い軽快な音楽となっている。
第4楽章、フィナーレ、アレグロ・アッサイ・アパッショナート。曲の終わりかたがとにかくかっこいい。

このCD(DENON COCO-70527)は、1966年にプラハのドモヴィル・スタジオで録音されたスプラフォン原盤で、コロムビアのクレスト1000シリーズのうちの一枚。録音は室内楽でも直接音が中心で、無響室のような当時のスタジオ録音をしのばせるものだ。あまりホールの響きや雰囲気を生かすような録音ではない。だが演奏は見事だ。
■スーク・トリオ
I=9'11" II=6'44" III=3'25" IV=8'59" total=28'19"

写真は、復元された山形県郷土館「文翔館」の見事な飾り天井とシャンデリア。本当は、こういうところで室内楽の演奏を聞いてみたい。

(*): メンデルスゾーンの生涯~主な作品と年代の一覧
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