電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

台風と果樹園

2005年09月07日 19時06分24秒 | Weblog
台風14号は、九州・四国・中国地方に、記録的な大雨と強い風をもたらし、日本海に抜けたようだ。ニュースでは、強風にあおられて怪我をした人や、床上浸水、土砂崩れなど、かなりの被害が出ているようだ。お見舞申し上げます。
反面、空っぽだった早明浦ダムの貯水率が一気に100パーセントに回復するなど、香川県の多くの人には嬉しいニュースになったのではないか。

さて、当地の台風の状況、空気がなんとなく生あたたかい。しかし雨も降らず、風もそれほど強くはない。ニュースでは、午後4時に新潟県佐渡市の西北西約270kmの日本海を約35km/hの速さで北東に進んでいるとのこと。中心の気圧は985hPa、最大風速は25m/sで、中心の東側650kmと西側600km以内は風速15m/s以上の強い風が吹いているそうだ。およそ3時間に、100kmくらいは北上していると考えられる。暴風雨圏内に入るのは、夜間になるものと予想される。

果樹園の大敵はやはり台風だ。先年、青森県と北海道を台風が通過し、多くのリンゴが被害を受け、リンゴ台風と呼ばれたことがあった。同様に、今収穫を目前にしているラフランスやリンゴなどが心配される。現在のリンゴの様子は写真のとおりだが、台風が通過したあとは、地面の上に青いリンゴをしきつめたようになる。ある土地には恵みをもたらし、他の土地には深い爪痕を残す。自然の現象はそんな宿命を持っている。

当地も、私が幼かったつい数十年前までは、河川が氾濫し、田畑に大きな被害を受けたらしい。雨上がりの晴天の日に二階から眺めると、遠くの田畑が銀色に光って見えたものだ。どうどうと音を立てて流れる川を間近に見ると、さすがに恐かったが、一方で遠くに見る氾濫原は日の光を反射し、とてもきれいだと感じた。今は、堤防が整備され、河川の決壊や氾濫といった非常事態は起こらなくなったが、多くの人々の執念に似た営みが、あちこちに竣工記念碑として残されている。田園に立つ立派な石碑を見るたびに、幼いときに見た遠い銀色の水を思い出す。
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