![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/40/67/5f1047a3d501d9d5476a06c7e0caaf85_s.jpg)
amazonへのリンクはこちら
評価 ![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/m_0140.gif)
(3点/5点満点)
外資系企業一筋で45年、そのうち23年を日本法人の社長として過ごしてきた著者・鳥居正男さんによるリーダー学は、意外とも言えるものです。
外資系企業だからといって、「結果だけ出せばいい」「自分さえよければいい」という人は上に立つことはできず、グローバルな環境で求められるのは謙虚さだと言います。
謙虚さ、質素さ、実直さ、勤勉さ、和を尊び人を大切にする気持ち。競争環境がグローバル化しているからこそ、日本人は日本人の持つ美徳の素晴らしさを見直し、人間性・教養を身につけることが大事とのこと。
・上司から部下への声かけの6つのポイント(声をかける際の表情、何を話すか、いかに話を聴くか、会話の中身を覚えていること、名前を呼ぶこと、ありがとうで締め括る)
・仕事を任せる上での5つの条件(やる気と意欲、自分の意見を持っていること、現場を重視すること、人望の有無、社会人としての常識があるか)
・上司が常に心がけておきたい3つのK(謙虚、気配り、感謝)
鳥居さんの日本以外の文化に触れることや外から日本の良さを見直す経験は、視野の広がりや人間としての深みに繋がっていると感じました。
若い方だけでなく、ある程度キャリアを積んできたビジネスパーソンにとっても、謙虚に自分を見つめて真面目に努力する大切さを、本書から知ってほしいですね。
【my pick-up】
◎「英語の会議」をどう乗り越えるか
グローバル会議では、発言をしないということは意見がないことと見做されてしまいます。日本と違って、黙っていることも美徳という考えは通用しません。それでは英語にハンディがある日本人が、グローバル会議で評価されるにはどうすればよいのか。答えのひとつが、「なるべく早く発言する」ということです。とくに人数が多い会議では、日本語の会議でも誰だって気後れするのが普通です。言いたいことが言えずに終わってしまったという経験をもつ人も多いのではないでしょうか。私も同じです。そんなときは、なるべく早く、短くてもいいので発言することです。たとえば会議の序盤に、誰かの発言に対して質問や確認をとる。その一言を話すことができれば、気持ちが楽になり、その後もスムーズに意見を言えるようになります。発言が遅くなってしまうほど、話も複雑になってきていて、ハードルが上がってしまいます。会議の序盤で発言することにより、参加者に「いつも積極的に発言しているな」と印象付ける効果もあります。これは英語の会議に限らす、日本での仕事でも活用できると思います。
◎「正解主義」から「納得感」にシフトせよ
事実や数字に基づいた論理的な考え方は、どれだけ多様性の広がった状況でも、一定の「納得感」をもらたします。異なる背景を持つ人々が互いに理解し合うには、理詰めしかありません。
◎「ありがとう」の一言が心をほぐす
私は社員に何か質問をして回答してもらったときや依頼していた資料を送ってもらったときなど、どんな些細なことでも必ず一言「忙しい中ありがとう」「いつも正確な情報をありがとう」とメールしています。もちろんメールを受け取ったという確認の意味もありますが、それ以上に感謝の気持ちを伝えたいからです。自分のお願いごとを対応してくれたことに対して、感謝を示さないのは失礼です。
◎「99%」と「101%」の小さくて大きな違い
当時から私は自分に100%の力があれば、毎日105%以上の力を発揮することを心がけて働いてきました。時には150%や200%の勢いで走ることが続いた時期もあったと思います。一方で、100%の力があるのに、90%や95%でいいやと妥協すれば、自分の成長には繋がりません。99%と101%の違いは2%の違いではありません。99%は与えられたことを淡々とこなせばよいという受け身の気持ち。101%を超えれば気持ちは前向きになり仕事を楽しめる領域に入れます。気持ちの持ち方だけで、プラスかマイナスかに大きく変わる。それは完全に相反することです。