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2016年81冊目『上司は「顧客」だと思いなさい』

2016-05-01 21:39:49 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

これからのビジネスマンが目指すべき生き方は、会社に雇用されていながらも、自らを独立した経営者と見なす「社内実業家」であるとして、社内実業家になるために必要な考え方をまとめたものです。

滅私奉公という従来の雇用形態が消滅し、ドライなかたちで会社とつき合うスタイルが定着してくると、企業に雇われるサラリーマンと自ら事業を立ち上げる実業家には共通点が出てきます。「自分自身が実業家だ」と考えれば、会社は自分に対して対価を払ってくれる「顧客」ということになります。

・出世できる人にとっての上司は、仕事でつき合いのある顧客と同じ。顧客だと思っているからこそ、割り切って考えることができ、上司にも愛想よく振る舞うことができます。(P.24)

上司を身内のような存在と考えてしまうと、好き嫌いという感覚が大きくなり、冷静に向き合うことができなくなります。「上司は顧客」と考えることで、ある程度割り切ることができるようになりますし、何よりも冷静に対応策を練ることができます。(P.51)

クセが少なく、異動で環境が変わったりしても、一定以上の成果をあげられそうな人物の価値は高く算定されます。出世戦略の立案において、この事実は忘れてはなりません。(P.131)

出世できる人は、実業家的な目線を持っており、仕事のプロセスにおけるムダを探すのが非常に得意です。ムダを上手に探すことができるので、自分の空き時間を最大化することができ、それを出世のために必要な活動に向けることができるのです。(P.173)

組織内の人間関係も、ビジネスというドライな視点で割り切ったほうが、むしろ良好な状態を維持できる可能性があるということでしょうか。社内実業家は、相手と適切な距離を取ることで、ビジネスをうまく進めることができると感じました。

仕事ができる、頭が良いだけでは、出世できるとは限らない。私の社会人経験からも納得できる個所が多かったです。会社で出世することができると、仕事は確実に面白くなるという点も、ぜひ知ってほしいですね。

【my pick-up】

◎ライバルと差別化できる要因を考える

仕事が速い人は、上司からの評価は間違いなく高いと考えてよいでしょう。受けた仕事は迅速に進め、ラフな状態で一旦上司に報告し、上司が求めるものとのすりあわせを行うほうが圧倒的にスムーズに進みます。

小さなミスがないことは、じつはかなりの高評価につながります。出世できる人は、最終的に提出する報告書や文書、稟議書にミスがないか、徹底的にチェックするものです。

上司は常に、自分が部下に依頼した仕事が順調に進んでいるのか心配しています。上司から「あの件はどうなった」と言われる前に、自ら報告することができれば、ライバルとの差別化がより進むことになるでしょう。

◎管理職以上で極めて有効に作用するブランドとは

中間管理職になると多少の権限も出てきますから、部長や役員などに対して「このようなかたちで案件を進めたいので、人を何人か回してほしい」あるいは「予算を○円欲しい」といった交渉をするようになります。

そのような中で、上には一切要求をせず、自分のチームが持っている人員や予算だけでビジネスを進め、結果を出してくる課長は、その上の管理職にとって非常にありがたい存在です。

◎「上司と対等になれる瞬間」を見極める

謝っている部下を過剰に叱責してしまうと、そこには一種の「借り」ができてしまうのです。交渉が上手な部下は「このままではあなたには借りができてしまいますよ」というサインを謝罪というかたちで送っていることになります。

上司と話をする前に「前回は失礼しました」「前回はありがとうございました」というひと言を加えると「ちょっとキツく言い過ぎたかな」という意識が出てくるため、上司はあまり厳しく出られなくなります。そこで部下から出てきた提案がまずまずの内容であれば、上司の判断も甘くなる可能性が高くなってくるわけです。

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