厳選!ビジネス書 今年の200冊

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2015年173冊目『わりきりマネジメント』

2015-10-13 22:34:58 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

わりきりマネジャーとは、やるべき仕事の焦点を絞り、最少の労力で120%の成果を生むマネジャーのことです。「仕事を増やす努力よりも、仕事を減らす努力」「やらなくていいものはやらない」「優先順位に極端な差をつける」という、徹底的に的を絞ることを主眼としています。

また合わせて、「部下の働きに感謝する」「部下の成長する姿に感動する」「部下という一人の人間に関心を持つ」「部下の言葉を謙虚に聴く」という姿勢にも触れています。

マネジメントとは、上司一人では到底行けない場所に行くための手段。部下と向き合い、チームを率いて、最大限の成果を出すために必要な、「使える」マネジメント術と本書は言えるのではないでしょうか。

【my pick-up】

◎部下に「弱み」を忘れさせる

最上級は、「弱みを忘れさせる」マネジャーです。強みを生かせる仕事ばかりを任せているうちに、部下はあたかも自分に弱みがないかのように思い込みます。やらされていないだけなのに「なんでもできますよ」と勘違いするのです。実際は、苦手な仕事を振らないようマネジャーが気を配っているわけですが、これができたらすごいマネジャー。部下はどんどん自信をつけていきます。

◎上司は強みを発揮してから、弱みを見せる

弱みを見せる前に、まず自分の得意なこと、強みを印象付けておくこと。強みを十分に発揮していない段階で弱みを見せると、愛嬌とは見なされず、「なんだか、だらしないよね」と幻滅されてしまう恐れがあります。まずは強みを十分に発揮し、部下に「さすが!」と思わせてから、弱みを見せる。これで初めて、弱みが愛嬌になります。逆に言えば、弱みを見せているのに愛嬌と見なされないなら、まだ強みを発揮していないサイン、ということです。

◎個人面談を活用しきる

以前、僕がまだ現場にいた頃、数カ月に一度のペースで、一人あたり30分ほどの個人面談を行っていました。その時間は、その部下のことにだけ集中します。他の仕事は完全に忘れて、電話にも出ません。部下の話をよく聴くことです。個人面談は、上司から何かインフォメーションする時間ではないのです。悩みがないなら構いません。そこで僕から根掘り葉掘り探ることもない。「この人は、忙しいのに私のために時間をとってくれた」部下に、そう思ってもらうことに価値があるのです。「私のためにわざわざ時間をとってもらっているのに、何も言わないのは申し訳ない。本当に何もなかったかな?」大事なのは、相手に話しきらせることです。話を聞いたら、関係各所に電話したりやり方を指示したり、すぐ行動です。個人面談を活用しきれば、日常的なコミュニケーションが少なくても、部下との信頼関係を築くことができます。普通にコミュニケーションしているだけでは、部下が本音を語るはずはない。わりきりマネジャーは、それを前提に考えます。

◎部下との距離を保ち、大事な相談のみをキャッチする

マネジャーと部下は、普段は一定の距離を置いたほうがいいと僕は思います。なぜかと言うと、「なんでも聞いてね」では、部下が自分の頭で考えなくなるからです。距離が、部下の自主性を育てます。

◎「頼まれ事は、試され事だよ」

上司は頼み事をした時の、部下の受け取り方を観察しているのです。「アイツとコイツ、どちらに任せようか」そう悩むマネジャーが、最後に何を基準に決めるのかと言えば、仕事の受け取り方が気持ちのいい部下。だから「頼まれ事は、試され事」なのです。

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