今日は日記を休む予定だったが、どうしても書いておくことができた。
夕方にジャズライブHotHouseのHPにアクセスし、ピアニスト・松井節子さんの訃報を知る。
店のFacebookによるとしばらく前からかなり調子が悪いということだったが、ここ2、3日は予断を許さない状態だったようだ。そしてついにその日が来てしまった。
自分が初めてHotHouseへ行ったのは2000年の9月だったから、もう23年余り。
2008年11月に松井さんの夫君でアルトサックスプレーヤーの郷間和緖さんが亡くなったあとも、店のメインプレーヤーとして演奏を続けてこられた。
そして、昨年2022年の初旬に施設に入るため演奏からは引退されたが、この9月初めに1ステージだけの復活で登場された。自分がお目にかかって演奏を聴くのもそれが最後になった。
なお、店のHPにあるとおり、故人の遺志により通夜葬儀は行わないとのこと。
そして後日、「お別れの会」を開く予定とのこと。
また、店の休業はなく、予定のライブは通常通り行うとのこと。
自分は2011年から動画撮影を始めたが、HotHouseでも一時はよく撮影させてもらった。
その中から自分のベスト3曲・・自分にとって思い出深い曲や好きな曲。
1曲目は「ホリーランド」(Holy Land)
2011年の東日本大震災のすぐあとに嵌まった曲。震災で直接被害を受けたわけではないが、メディアを通して悲惨なニュースを浴びせられ続けるのは、やはり精神的にきつい。そんな時期に、ジャズのオムニバスCDでアル・へイグというピアニストが1970年代に演奏したホリーランドを聴き、それが刺さった。いや、精神的な支えとなった。
そうなると、地元のよく行くライブの店で生で聴きたくなる。しかもピアノ曲。ところが松井さんはこの曲をご存じなかった。それで、ネットでホリーランドが入っているスコアブックを探して買い、店に持っていき演奏をお願いした。アル・へイグのホリーランドを収めたアルバムのCDも買ったが、こちらは参考としてしばらく松井さんにお貸しした。
HotHouseでの演奏は複数回、撮影したが、気に入っているのはこの2つ。
こちらは2011年の5月に撮影し、自分のYouTubeアカウントでUPしたピアノソロ。
もうひとつは2013年6月に撮影した佐々木悌二さんとのデュオ。こちらは、自分でUPしたものではなく、動画ファイルを店に提供したもの。
2曲目は「あなたと夜と音楽と」(You And The Night And The Music)
曲調はもちろん大好きだが、それに加え曲名がいい。ジャズだけではないだろうけど、音楽を聴かせる店の多くは夜の営業。日が落ちて店に灯りが点り、酒のグラスを手に、いい音楽に耳を傾ける。そんな幸せな気分が曲名からも伝わってくる。
こちらも松井節子さんと佐々木悌二さんのデュオ。動画は2013年9月に撮影で、これも動画ファイルを店に提供したもの。
最後の3曲目は「オブリビオン」(Oblivion)
常連のお客さんでこの曲が気に入ってスコアを持ってきた人がいたといこうこと。その演奏を聴いたら自分の好みの曲調で見事に刺さった。それで、そのあと動画を撮影させてもらい、自分のYouTubeアカウントでUPした。
こちらは2019年6月に撮影。松井節子さんと松岡俊輔くんのデュオ。
本当に長い間、お疲れ様でした。
そして、長い間、素晴らしい演奏をありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。