日本語学校からこんにちは ~水野外語学院~

千葉県市川市行徳にある日本語学校のブログです。日々の出来事、行事、感じたことなどを紹介しています。

同じ国でも体育の授業があったり、なかったり…。

2021-02-10 11:00:43 | 日本語学校
晴れ。

お日様が照っていると、それだけで、ポカポカ、心もホカホカしてきます。やはり、それだけ、春が近づいているということなのでしょう。

今まで一番年下だった女子学生が、同国の、更に年下の学生が来てから、俄然、お姉さん風を吹かせ始めています。もっとも、時々やられているようですが。この二人、先に来ていた学生は(国で)地元の学校で勉強し、後から来た方は(国で)インターナショナルスクールに通っていたそうで、だからでしょうか、同じように国でのことを訊いても答えが違うのです。得てきた知識が違うような気がします。

そして、一人が、「日本の学校の方がいい。国の学校は勉強だけ。面白くない。日本の学校はいろいろな所へ連れて行ってくれたり、いろいろな事をさせてくれたりする。日本の方がいい」と言うと、もう一人は「日本と同じ。いろいろした」。地元の学校に通っていた方は目を丸くして「えっ」。みんな自分と同じと思っているところが、狭い世界にいたということなのでしょう。

クラスで、国の動物のことを話させた時、ネパールやベトナム、中国、フィリピンの学生たちは、自分たちの国の動物の事を話せます。名は日本語で何というかわからなくとも、絵や写真(最近はスマホですぐに写真を出せる)を見せてくれれば、こちらもだいたいの名前を告げることができます。

しかし、姉貴風を吹かせていた方は、「いない」と断言します。…考えてよと思わず口にしたくなる。ところが、後から来た方が「いる。ハイエナ」。「それは何?」スーダン語で説明してやっています。でも、わからない。「ハイエナがいるなら、食べ物になる他の動物もいるでしょ」。そう言うと、二人は、そうかという顔つきでまた考えています。例えば…シカみたいな…というと、一人が気づいたようにスーダン語で何か言い、「いる、いる」と言います。でも、もう一方はぼんやりして、よくわからない顔をしている。これは本当に知らないな。

スーダンの北の方には、確かに砂漠が広がり…、とはいえ、砂漠地帯でも生き物はいるはず。考えたことがないのかな。多分、気にしたこともないのでしょう。自分たちとは無縁の存在と思っていて、見れども見えずなのかもしれません。それどころか、自分の近くだけしか見ずに育てられているのかもしれません。そうだったら、そりゃあ、日本に来て驚くでしょう。自分たちの所とは違うと。もしかしたら、日本の女性のように、一人で山に登ったり、旅行したりするということの方が驚き呆れるようなことなのかもしれません。

後で気がついたのですが、「ラクダ」や「ヤギ」のことを言えばよかった。アラブだし、エジプトやエチオピアに近い国なのだから、同じような動物がいたろうと。こうなったら、野生であろうが、家畜であろうが関係ありません。国にいる動物の名さえ出ればいいのです。

この二人、姉さん風を吹かせていた方は、国の学校では体育の授業がなかったそうで、「日本で大学に入りたいというのなら、大変だぞ。体育の授業があるんだぞ」と脅しておいたら、時々、朝、二人でジョギングをしているとのこと。驚いて、「そりゃあ、すごい」と褒め、その後、三日ほど、「今朝、走りましたか」と尋ねると、そのたびに「へへへへ。走ってな~い」。やれやれ、三日坊主だったのか。それとも、一度か二度で終わりだったのか。

ともあれ、一度でも、走ったということはよいことで、前にもインドの女子学生が、「アルバイトから戻ってから、毎日、ジョギングをしている。日本では、夜、女の人が一人でジョギングしても怖くないからいい」と言っていましたっけ。彼女も国ではスポーツと縁がなかったようで、来日を機に、このようにできることが増え、活動が広がるのは本当にいいこと。そういう面では、日本は、比較的楽で、暮らしやすい国なのかもしれません。

日々是好日

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