ぐうたら里山記

兵庫の西の端でただのほんと田舎暮らしをしています。ぐうたらです。のん兵衛です。

「地上」

2008年11月02日 06時59分45秒 | 雑感
家の光の雑誌「地上」12月号にこのブログが紹介された。
紹介記事を読むとその人がこのブログをどう感じているのかわかってとても面白い。
「おそらく著者はものを書くことが苦にならない才能の持ち主です」「デジカメ写真での記録が主流の時代、わかりやすい散文を読めるブログは貴重ですし、人によっては役にたつ知識の宝庫でもあるでしょう」
これを読んで思わず笑い出した。
このブログで写真が少ないのは、単に写真を撮るのが面倒なだけかも知れない。
写真入りのブログだと文章だけでなく写真を撮り、さらに選択・編集の手間が増えるのでよけい面倒になる。それで写真入のブログ「里山の花便り」は最近あまり更新していない。
それに写真だと「今いる場所」しか撮ることができない。文章だと過去も未来も一度も行ったことがない所のことさえも書くことができる。
まぁ、いい加減なことを気ままに表現できるのが文章の魅力。
これからもたいして役に立たないことだけを書いていきたいと思う。
コメント (2)
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古民家

2008年11月02日 06時31分04秒 | 田舎暮らし
11月に入り、秋はますます深まっている。
もうよそではとっくにコタツを出しているらしい。
でも我が家ではコタツもストーブも電気カーペットも・・・暖房は一切していない。
そんな軟弱なことでは古民家で生きていくことはできない。

ある時ここのず~と山奥に、都会から一人の女性がやってきた。
そして古民家住まいを始めた。
でもひと冬で逃げ出していった。
そのあとを見たけど、隙間風対策のためだろう、壁中、ダンボールやガムテープで覆われていた。
かくも古民家は恐ろしい。

都会の人は古民家にあこがれる人が多い。
でも田舎住まいをしていると古民家がとても悲しく思えてくる。

田の字型の間取りの家では南向きの奥座敷とそれに続く部屋は客間で普段は使わない。北向きの土間側の部屋は居間で囲炉裏があってそこで食事をする。
そして奥の日当たりの悪い部屋で家族は暮らす。
土間の奥には牛小屋か馬小屋。
ハエと糞尿の匂いが家中立ち込めている。
トイレは家の外。夜や雨の日トイレに行くのはとても苦痛だったろう。

今住んでいる家は昔蚕を飼っていたらしい。
部屋ごとに小さな囲炉裏の跡が残っている。
これは人間用ではなく蚕を暖めるためのもの。
蚕の時期になると座敷の畳を上げて、蚕だなをおく。
座敷だけでは足りなくてどの部屋も蚕棚に占領される。
そして家族はその片隅で小さくなって寝る。
昼間は桑の葉刈りにおわれ、夜中は桑を食べる蚕のがさごそがさごそという大きな音に悩まされる。
このような生活は癒しとはほど遠い。

子供のころは地方都市の街の中で育った。
昭和30年代、日本はまだ貧しかったけど高度成長期。
中学を出て都会に集団就職をする人もいたけど、
たいていの人は高校に進んだ。
その高校も進学校だったので、ほとんどの人が大学や短大に行ったし、それが普通だと思っていた。
ところがここに来てビックリした。
同じ世代の人はここでは皆中学を出ると集団就職で都会に出て行き、高校に進む人はほとんどいなかったという。

古民家というと、縁側・囲炉裏・そして釜戸。
古民家に釜戸はつきものだと思っていたけど、ここでは釜戸のある家はほんの数軒だったという。

都会の人は古民家に癒しを感じるだろう。
でも古民家に住んでみると、貧しさと悲しさを感じる。
それで古民家に住んでいた人が普通の都会風の家に建てかえる気持ちはよくわかる。
ここは旧因幡街道沿いの集落のひとつ。
街道沿いに古い町並みがぽつんぽつんと残っている。
でもその町並みは急速に失われようとしている。
古民家はそのままでは使いづらいかもしれない。
それで都会の人が都会のセンスを生かして再生してほしいと思う。

秋が深まってきた。
そろそろコタツを出そうかな。

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